なんだかとても幸せな夢を見た気がした。でも、それがどんな夢だったか思い出せそうになくて、早々と考えるのをやめた。
(ん…?この感触は…)
何だかイケないことをしているような気がして、先ほどまで見ていたはずの夢へと向けていた思考を自分の腕の先へと向けた。
「あれ…?」
幸せな夢を見た原因というか、なんというか。目の前にあるのは、思わず赤い花を咲かせたくなるような白く綺麗なうなじ。そして俺の手の中にあるのは紛れもなく女の胸だ。無意識のうちに散々揉んでいたであろう胸も、意識してしまえば罪悪感が襲ってきて、名前が起きないうちにと着物の袷から腕を引き抜いた。もう片方の腕は名前の頭の下にあるので抜けそうにない。胸を揉んでいたであろう手を天井に向かって伸ばし、掌を見つめる。女の胸を揉んだのなんて何年ぶりだろう。いや、記憶になくても散々揉んでいたんだろう。この名前という名の妻である女の胸を。
「ん…銀さん…?」
後ろから名前を抱き締めるように眠っていたのだが、先ほど体勢を変えた為、今度は名前が寝返りをうつ形となり、寝ぼけたまま俺に抱きついてきた。なんというラッキースケベな展開だ。いやらしく寝乱れた姿を目の当たりにしてしまい、朝の生理現象と相まって、立派に立ち上がった愚息はおさまりそうにない。
いくら夫婦とはいえ、自分にはその記憶がない。俺からしてみればまだまだ他人のような状態だ。そんな関係の名前にこんな状態の下半身を見られるのは少しばかり…いや、かなり恥ずかしい。おさまれ、おさまれ…と精神統一しながら念じていると、小さな笑い声が聞こえた。
「ん…?起きたのか」
「おはようございます…。なんだか変な顔してたから、つい」
「あ、いや…これにはワケが」
「見慣れてるから気にしませんよ」
「…ですよね」
俺ばかりが恥ずかしい思いをしているようでちょっとだけ情けない気分だ。
「ねぇ銀さん」
「はい」
俺の胸に頭を乗せたまま、上目遣いで話しかけてくる名前はズルい。こんなことされれば意識するのは当然で、おさまりかけていた愚息はまた元気を取り戻してしまった。
「いつもね、朝起きると銀さんが後ろから抱きしめてくれてるんです。腕はいつも私の胸に触れてて。銀さんに触れられてるとすごく安心するんです、守られてる感じがして。今朝もそうでした?」
…正直に答えてしまっていいのだろうか。俺からすれば戸籍上妻であってもまだまだよく知らない人であるのに、知らないうちに胸揉んでましたなんてただの変態じゃないのか。
「…怒らねェ?」
「怒りませんよ」
「起きたらあんたのこと抱き締めてたし胸揉んでた。悪ィ」
「ふふ、やっぱり。三日ぶりに幸せな気分の目覚めだったから」
ゆっくりと身を起こし、無防備な袷をそのままに伸びなんかするもんだから、チラチラと胸が見えてしまう。見たい、触れたい。本能だけでそう感じた。
俺の視線に気付いたのか、名前は少しばかり恥ずかしそうに寝間着の袷を握った。
かと思えば上半身を起こした俺の腹にまたがり、その袷をいやらしく開いた。
「え?」
「銀さんの日課も…忘れちゃいました?」
名前は綺麗な形の胸を惜しげもなく俺の眼前に晒し、そのまま顔へと押し当てた。
「こうやると、銀さん安心するんですって。素肌が触れ合うのって気持ちいいでしょう?」
どこかへ零れ落ちた記憶の中で、俺は名前と何をしていたのだろう。知りたい。
「…触って、いいか」
「ええ、私はあなたのものです」
その柔らかな胸に触れると、名前は擽ったそうに身を捩った。
「ん…っ」
「んな声出すなよ、たまんねェだろうが」
まるで飢えたガキみたいに胸の先端を食む俺を見て、名前は嬉しそうに笑っていた。やはり、記憶なんかなんても、俺はこの女がどうしようもなく愛しいらしい。
(ん…?この感触は…)
何だかイケないことをしているような気がして、先ほどまで見ていたはずの夢へと向けていた思考を自分の腕の先へと向けた。
「あれ…?」
幸せな夢を見た原因というか、なんというか。目の前にあるのは、思わず赤い花を咲かせたくなるような白く綺麗なうなじ。そして俺の手の中にあるのは紛れもなく女の胸だ。無意識のうちに散々揉んでいたであろう胸も、意識してしまえば罪悪感が襲ってきて、名前が起きないうちにと着物の袷から腕を引き抜いた。もう片方の腕は名前の頭の下にあるので抜けそうにない。胸を揉んでいたであろう手を天井に向かって伸ばし、掌を見つめる。女の胸を揉んだのなんて何年ぶりだろう。いや、記憶になくても散々揉んでいたんだろう。この名前という名の妻である女の胸を。
「ん…銀さん…?」
後ろから名前を抱き締めるように眠っていたのだが、先ほど体勢を変えた為、今度は名前が寝返りをうつ形となり、寝ぼけたまま俺に抱きついてきた。なんというラッキースケベな展開だ。いやらしく寝乱れた姿を目の当たりにしてしまい、朝の生理現象と相まって、立派に立ち上がった愚息はおさまりそうにない。
いくら夫婦とはいえ、自分にはその記憶がない。俺からしてみればまだまだ他人のような状態だ。そんな関係の名前にこんな状態の下半身を見られるのは少しばかり…いや、かなり恥ずかしい。おさまれ、おさまれ…と精神統一しながら念じていると、小さな笑い声が聞こえた。
「ん…?起きたのか」
「おはようございます…。なんだか変な顔してたから、つい」
「あ、いや…これにはワケが」
「見慣れてるから気にしませんよ」
「…ですよね」
俺ばかりが恥ずかしい思いをしているようでちょっとだけ情けない気分だ。
「ねぇ銀さん」
「はい」
俺の胸に頭を乗せたまま、上目遣いで話しかけてくる名前はズルい。こんなことされれば意識するのは当然で、おさまりかけていた愚息はまた元気を取り戻してしまった。
「いつもね、朝起きると銀さんが後ろから抱きしめてくれてるんです。腕はいつも私の胸に触れてて。銀さんに触れられてるとすごく安心するんです、守られてる感じがして。今朝もそうでした?」
…正直に答えてしまっていいのだろうか。俺からすれば戸籍上妻であってもまだまだよく知らない人であるのに、知らないうちに胸揉んでましたなんてただの変態じゃないのか。
「…怒らねェ?」
「怒りませんよ」
「起きたらあんたのこと抱き締めてたし胸揉んでた。悪ィ」
「ふふ、やっぱり。三日ぶりに幸せな気分の目覚めだったから」
ゆっくりと身を起こし、無防備な袷をそのままに伸びなんかするもんだから、チラチラと胸が見えてしまう。見たい、触れたい。本能だけでそう感じた。
俺の視線に気付いたのか、名前は少しばかり恥ずかしそうに寝間着の袷を握った。
かと思えば上半身を起こした俺の腹にまたがり、その袷をいやらしく開いた。
「え?」
「銀さんの日課も…忘れちゃいました?」
名前は綺麗な形の胸を惜しげもなく俺の眼前に晒し、そのまま顔へと押し当てた。
「こうやると、銀さん安心するんですって。素肌が触れ合うのって気持ちいいでしょう?」
どこかへ零れ落ちた記憶の中で、俺は名前と何をしていたのだろう。知りたい。
「…触って、いいか」
「ええ、私はあなたのものです」
その柔らかな胸に触れると、名前は擽ったそうに身を捩った。
「ん…っ」
「んな声出すなよ、たまんねェだろうが」
まるで飢えたガキみたいに胸の先端を食む俺を見て、名前は嬉しそうに笑っていた。やはり、記憶なんかなんても、俺はこの女がどうしようもなく愛しいらしい。