【 最期まで誰かの為に泣いていて 】
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「いやあああああッ!先生!!先生!!!」
とても静かな葬儀だった。
先生の遺影の前で泣き叫んだのは私だけ。
皆静かに先生の死を受け入れていた。
どうして?どうしてそんなに冷静でいられる?どうして先生が死ななければならなかったの?
「先生!!先生!!お願い…帰ってきてよ!!」
「おいナマエ!落ち着け!」
「どうしてカカシはそんなに冷静でいられるの!?先生がっ!ミナト先生がっ」
言葉にしてしまうと、尚更現実味が増してしまって耐えられなくなってしまった。カカシは暴れる私を静かに抱きしめた。
「ナマエ、いくら泣いたって叫んだって、もう先生は戻ってこない」
「!」
「だったら俺たちが先生の意志を継いで、先生が守ったものを守り通さなくちゃならないんじゃない?」
「カカシ……っ」
カカシに肩を抱かれたまま、先生の遺影の前から離れた。やっぱり泣き叫んだのは私だけ。みんなは相も変わらず静かに先生の死を受け入れていた。
いくら泣き叫んでも先生は帰ってこない。それならば、いっそ感情なんてなくなってしまえばいいのに…。
つらいよ、先生…