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【 君によく似た日だまり 】

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いつも穏やかで優しくて、忍としての才はズバ抜けていて、背も高くて誰が見ても憧れずにはいられない人。それが私たちの師であり、木の葉隠れの里の四代目火影である波風ミナトだった。

幼い頃から憧れ続けた先生。
そんな先生に憧れとは違う感情を抱く様になったのはいつからだろう。

「ナマエ!危ない!!」
「ナマエー!!!」

この日は偶然、ミナト先生とは別行動をする任務だった。それなのに目の前に現れたのは他里の上忍が複数名。戦争中とはいえ予想外の展開だった。上忍になったばかりのカカシと、中忍のままの私達では分が悪すぎる相手。

まずい、よけられない。

そう思って死を覚悟した瞬間、目の前に眩いばかりの光が広がった。ああ、なんて美しいんだろう…。

「ナマエ大丈夫かい?!」
「せ、先生!」
「泣くのはあと!一気にいくよ!」
「はい!」

先生は奇跡のようなタイミングで現れ、私を救ってくれた。先生に抱きかかえられたあの瞬間から、きっと私の中の憧れは違う感情へと変わっていったのだろう。

あの事件をきっかけに、私は数年かけてその感情を理解した。その頃には同じ班だったオビトもリンもいなくなっていた。

私も上忍になり、ミナト先生は火影になった。
里の長となり多忙を極めるミナト先生に会う機会は激減してしまったが会えない時間がより一層私の気持ちを高めるのだった。そしてある日、私はミナト先生に思いの丈をぶつけたのである。

「ミナト先生」

「ん?どうしたの?」

「火影様にこんなこと言うのはおこがましいと、そんなことはわかっています。でも…聞いて頂きたいことがあるんです」

「どうしたのナマエ…そんなに改まって」

「私、先生が好き」

「え?」

「先生のことが好きなんです」

「参ったなあ…」

先生は困った様に目を細めて頬をかいた。答えはわかっている。しかし伝えずにはいられなかった。

「ナマエ、君の気持ちは凄く嬉しい。それに君のいう好きっていう感情はとても大事なものだ。でもね、俺には心に決めた人がいるんだ。」

「クシナさんですよね」

「うん。実はもうすぐ子供も生まれる。こんなこと俺を慕ってくれているナマエに言うべきではないかもしれないけど…ナマエには幸せになって欲しいと思う。君には必ず君を幸せにしてくれる人が現れるよ。でも、それはきっと俺じゃない」

「……」

「(カカシの想いに、どうか気づいて)」

「お忙しいときにお時間を取らせてしまってすみませんでした」

「ん!問題ないよ。嬉しかった」

「それでは…失礼します」

まさかこれが先生との最後の会話になるなんて、このときの私には知る由もないことだった。