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「いいお天気ですねー」

「ああ」

近くの茶屋の店先の長椅子に腰掛けながらナマエがいう。すっかり春めいた天気で目の前の桜ももうすぐ咲きそうだ。

なんだかんだいいつつ、こうやってナマエに付き合ってもらってゆっくり茶を啜っているわけだが…たまにはこんな時間も悪くはねェか。

「土方さん、息抜き出来てます?」

「ああ。すまねェな、気を遣わせちまって」

「いえいえ、あくまでも私の休憩に付き合って頂いてるんですもの」

「そういえばそうだったな」

「でも土方さんの隣でこんな女がお茶飲んでいるなんて、土方さんのイメージが悪くなったりしませんかね。あんな田舎臭い娘を連れてどんな趣味してんだーとか」

「こんな別嬪さんつれて鬼の副長も隅に置けねェなって思われてんじゃね?」

「まあ土方さんったら」

俺の発言に少しだけ頬を染めるナマエ。照れ隠しに湯呑みを握ったその手は荒れているようだった。


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