「ハルちゃん!おめでとうvv」


『…っ、あ…ありがとうございます。』



勢いよく抱きしめられ、身動きが取れないハルに、リーバーは慌てて止めに入る。コムイの腕の中で苦しげにもがくその小さな姿が、止めざるを得ない姿だったから。




「なんだよー!リーバー班長、邪魔しないでくれるー?」


「うちの子に過剰なちょっかい出さないでもらえます?」


「うちの子って…、ハルちゃんも君も引っくるめて僕んちの子だよ?」



あっけらかんと言ってのけるコムイに、頭を抱えるリーバー。彼の後ろへ引っ張られたハルはというと、彼らの言葉に対し嬉しそうにはにかんでいた。


その様子にきょとんとするふたり。リーバーが声をかけると、眉を下げて恥ずかしそうに笑う。



『うちの子…って言われるのが、なんだか嬉しくて…。おかしいですよね…?』


口元を両手で押さえるハルだが、緩む頬を押さえきれていない。

そんな少女にコムイは微笑みながら見守り、リーバーは堪えきれずにその小さな身体を抱きしめる。



『どーしました…?』


「こらこら、抜け駆けかい?」


「あんたの方が先にやっただろ。」



優しく離れるリーバーは、不思議そうに見上げる少女の頭をくしゃっと撫でた。それはそれは大切なものに触れるように。


「おめでとう、ハル。」


『!ありがとうございます…!』


ふわりと微笑む少女はふたりへ一礼すると、こんな日でも仕事をしなければ…と、その場を後にする。



「君もついに手を出しちゃっ…


「あんたと一緒にしないでください。第一あれで手を出したとは言えないでしょうが。」


わー、意外と許容範囲が広いんだねvv」


「………。」



リーバーの額に青筋が浮かんだのは、言うまでもない。









大人組の余裕
(なんてあるもんか)








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