鬼畜狼と蜂蜜ハニー里桜編 | ナノ


  ・


「里桜、」
「ん、や…」
「なんだ、お前今日はいつにもまして不機嫌じゃねぇか」

里桜のペニスを上下に扱きながら、低い声で囁き尋ねる。

昔の事に思いを馳せていた里桜は、いつの間にか衣服を脱がされ、疾風にペニスを取られていた。
手は里桜のペニスの先端から出た白濁で濡れており、くちゅ…、と厭らしい水音を立てている。

くちゅくちゅ…、とその水音が出る度、里桜は恥ずかしくて、消え入りたくなる。
そんな恥ずかしがっている里桜は、とても愛らしく、疾風はそんな里桜の顔を見るたびにいけない…と思いつつも虐める手を止める事は出来ない。


「やめ…く…ぅ…」
「ここは、こんなに泣いているのにな…」

わざと聞かせるように水音を立てさせながら、手を素早く動かす疾風。

里桜は、与えられるその甘い刺激に頭が真っ白になり、ああっと吐息を零しながらピクピクと震えた。

「…っあ…ふ…、」

 後ろから抱きしめるように下肢を弄っていた疾風の胸元顔を赤らめ息も絶え絶えの里桜はよりかかる。
唇を噛んで、涙目でこちらを睨みつけている里桜。


「や…い…あ…」
「りお」
「んっ」

ちゅ、と首筋にキスを送りながら、疾風は片手で里桜の胸をつまむ。
とたん、むず痒いような切ないものが里桜の中を駆け巡った。

もっと強くしてほしい。もっと、疾風にやってほしい。
そう思う気持ちと、
こんな不純な行為はやってはいけないという思いが交差する。

真面目な、お兄ちゃん。
それが、里桜なのに…。


「いきたいか?」
「う…ん」
「じゃぁ、おねだりしろよ。できんだろ?」

まるで、悪魔のようなセリフ。
しかし、疾風に取られたペニスは、与えられた快楽にすぐにでも出したいと訴えていた。

これ以上続けられれば、どうにかなってしまう。
おかしく、なる。

里桜は潤んだ瞳で、疾風を見上げる。

そして…。


「…イカセテ…お願い、俺のおちんちん、ご主人様がどうにかしてぇ…」

ぎゅ、っと疾風の服を握り、自ら、強請るように小さく腰を揺らした。

疾風に教えられたとおりの言葉を口にすれば、疾風は酷く満足そうに瞳を細める。

「いいぜ、りお」

疾風は手元を早め、里桜を快楽へと追いやった。
勢いよく吐き出される白濁。


「ん…、はぁ…」

疾風にいいようにその手腕で絶頂に導かれた里桜は、そのまま、疾風の身体に寄り掛かり荒い息を零す。
疾風の肩口に顔を寄せながらも、疾風の服を握り閉めた手はそのままで快楽が通り過ぎるのをまつ。

「は…っ」

はぁはぁ、と甘い吐息が毀れ、疼くように体は熱くなっている。
少しの肌の接触で、肌が反応し疼く。

身体全体が疾風の愛撫に、過剰に反応しているようだ。
どこもかしこも性感帯になっている。

上気し潤んだ瞳も、微かに開いた桜色の唇も、そこはかとない色気を帯びていた。


疾風はそんな、里桜の身体を支えながら腰に手を添える。

「里桜、」

いつも余裕の笑みを見せる疾風も、そんな里桜の色気に充てられたように、性急に口づけを重ねた。

どちらともない唾液が口端からこぼれ落ちる。


もう、何度とない、キス。
甘い、口づけ。
でも、ただの、口のふれあい。
そこに愛なんか、ない。
ただの、口のふれあい。


(俺は…)

どうして、疾風の事が嫌いなのに、こんなに大人しくキスを受けているんだろう。
自分は、隼人が好きなはずなのに。
どうして、抵抗できないのか…。

それどころか…どうして、大人しくこのキスを受け止めているのか。

甘い口づけを送られ、ぼんやりとした思考の中、里桜は思案する。


こうして言いなりになって、身体を愛撫されるようになって、何度も考えたこと。
思案したところで、応えなんて出やしないのに。
いかされる度に考えてしまう。


この行為の意味を。




prev / next
(7)


[ back to top ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -