王道×脇役2
どうしよう
目の前には可愛い可愛い秋良が眠っている。

これはなんだ?襲ってもいいという事なのか?
それなら躊躇わず襲いますけど…

すやすや眠る秋良を見ながら俺は顔をニヤつかせる。





少し前に俺はこの学園へと転入してきた。
周りの奴等が言うには、生徒会の連中に惚れられたり、変装して学園にやって来た俺は、王道?というものらしい。

変装して、生徒会の奴等に好かれただけで王道なんて言われても知らねーし、
それに俺は決定的に王道君とは違う。

俺が変装している理由は普通の王道とは逆で、俺がカッコ良すぎるから変装している。
この学園に来るまで、街に行けばスカウトされ、知りもしない女や知ってる女に毎日のように告白され
果てに男にまで告白された時は、いい加減自分の顔が嫌になった。

だから学園で平凡に過ごすために変装してきた。

だけど今度はこんなモサい見た目のせいで、好きになった奴が俺に見向きもしてくれない…。
そう。さっきから俺が触れたくて触れたくて堪らない欲望を押さえ、隣に寝かせたままの城田秋良に…

もう会った瞬間ビビビと来た。
一目惚れって本当にあんだなって逆に感動した程。

そんなわけで俺は秋良の事好きなんだが、秋良は俺に見向きもしてくれない。
多分、秋良の中での俺は、親友の同室者という認識程度なんだろう。
だけどそれでも秋良の中に俺という存在がいるんだと思うと嬉しくてたまらない。

結城のありがたみを感じていると、
「んっ…、ふぅ‥」
と寝返りをうった秋良が不意打ちに息を漏らし、俺の理性に突如限界が訪れた。

これは煽った秋良が悪い。
そう思いながら寝ている秋良に唇を寄せた。
「はぁっ…、んん」
苦しいのか先ほどより息を漏れ出させる秋良が可愛くて止められない。
気が付けばディープキスになってしまい、そろそろヤバイと思い秋良から唇を離した。

「可愛いかったよ、秋良〜」
秋良を見ると少し顔を赤くしながらも未だにグッスリ眠っていたので
もっと寝かせてあげようと、ワザと秋良を寝かせたままにして俺は教室へと戻った。





みんながチラホラと教室から出ていき、寮に帰る者や部活に行く者がいる中
俺は何時ものように、帰る時に心の中で秋良に別れを告げてから、俺も自室へと帰った。

それから数時間後、結城が晩御飯の準備をしてくれているときに
ピンポーンっとインターホンが鳴った。

「はーい。あっ!!秋良じゃん。」
開けてみるとそこにいたのは秋良で、俺のテンションは一気に上がった。
まさか学校以外で会えるなんてと嬉しくて嬉しくてたまらない。

「秋良ー、俺に会いに来てくれたのか?」
調子乗った発言だと自分でもわかっていたが、秋良が部屋に来てくれたのが嬉しくて思わず口から出てしまった。

「なぁ、広瀬。結城居るか?」
眠っている秋良も可愛いが、やっぱり起きてる秋良が一番可愛いなと
うんうん頷きたい気持ちを抑えてると秋良が俺の名前を呼んでくれた。
秋良に名前呼んでもらえるなんてと思うが、どうせなら名字ではなく名前で呼んでほしかった。

「結城なら、今台所にいる。…なぁ、俺の名前呼べy「あれ?秋良じゃん。どうしたの?」
後ろから現れた結城に思わず顔が苦虫を噛み潰したような顔をする。

タイミング悪い上に俺の言葉に被せるなんて…
ほんの僅かだけど俺と秋良がラブラブしていたのに…

俺と秋良が喋ってるのを邪魔しやがってと睨みつけていると
結城が不思議そうな顔をしていたのでなんだ?と視線を辿り秋良を見ると、何故か秋良は百面相をしていた。

結城に指摘され気付いたようで、恥ずかしそうな顔していたのがとても可愛くて結城への怒りが消えた。




今日の晩御飯は秋良も一緒に食べることになり、料理の途中だった結城はキッチンへと戻り、必然的に部屋には俺と秋良の二人きりになった。

「秋良!秋良!コッチ来いよ」
いつもより近くにいる秋良に先ほどから俺のテンションは上がりっぱなしで、ポンッポンッと俺の隣を叩き秋良の腕を引っ張った。

俺が無理矢理隣に座らせようとしたが、秋良がもがくので
少し強引だが秋良の手を引くと、秋良はバランスを崩し、俺の方へとダイブしてきた。

「やっ!……ちょっ、えっ?」
慌てて起き上がろうとする秋良のお尻に丁度良く俺の手の平が当たり、
秋良から可愛い声が出た。
そのせいで俺の理性が吹き飛びガッチリと秋良を抱き締めた。

「ひろ‥せ?どうしt「もう、、り、…ま、、で‥ね……」
困った声を出す秋良だが、今の俺にはそれは煽る一方。
俺は近くにある可愛い可愛い秋良の尻を揉むとさらに秋良からは可愛い声が出て俺の手が止まらなくなった。



今度はタイミング良く結城は醤油を買いに行った。

結城も居なくなったし、本当の俺を見てもらうために変装を取ると
変装を取った瞬間、予想以上に可愛い驚き方をしてくれた。
この姿なら秋良に意識してもらえるかもと、俺の想いを秋良に伝えた。

すると
「昼って…、俺にキスしたのってやっぱり広瀬だったの?」
っと返ってきて焦る。
気付いてたのか…
そりゃ我慢出来ずにディープな方もしたし、気付かない方が可笑しいかと無言で頷く。

突然目が覚めたら男にキスされてたってことだよな。
秋良には悪いことしたなと謝ると
「そりゃ、気持ちよかったけど…」
と言われ、驚いて俺の目が点になる。
要するに俺とのキスは嫌じゃなかった上に気持ちよかったと…

問いただすと『そうだ』と肯定され、これは夢なんじゃないかと思ったが嬉しいことに現実だった。


そこからはとんとん拍子に事が進み、秋良とキスするという瞬間に生徒会の奴等や結城に邪魔をされた。
イラつきながらもこれで秋良は俺のものになったし今日のところは許してやろうと慌ててカツラと眼鏡を着け直した。





解説
きっと親衛隊の誰かが腐男子で『やっと王道が来た!学園に来てくれてありがとう』とか歓迎され、王道について語られたせいで色んな知識がついたんだと思います。

軽く女性恐怖症。
学園に来る前は目が覚めたら知りもしない女の子に拉致られてたり、突然『あなたとの子供が出来たの』と言われたりしていた。
そういうこともあり、女の居ない男子校に行ったのに、ホモばかりだと聞き変装を決意。


prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -