※高校三年生設定です。
※進路捏造してます。
※どっちかって言うとギャグスタシー。うちは今自分の目の前に広がる無限の宇宙のような一枚の紙と格闘しとる。それはもう全力で、めっちゃ真剣に…いや、そない真剣ちゃうな。適当に、まあそこそこ真面目に悩んどる。
その紙っちゅうのは、
「あー、どないしよ進路調査…提出今日やのに…」
うちの前に置かれた一枚の紙。貰った時のまま真っ白なそれは、自分の将来の夢を叶えるための宣言書というかなんというか。たぶん全国の高校生諸君が避けて通れぬアレ、進路希望調査とかいうソレ。
例に漏れずうちの前にも現れたそいつは、ペラ紙一枚のくせにあり得へん存在感でうちの前に聳え立っている。
「なんやめのう、まだ進路悩んどるんか?」
ぐったりと机にしなだれてうんうん唸るうちを見て、クラスメイト兼彼氏の白石蔵ノ介くんは向かいの空席に腰掛けた。
「蔵は?」
「進学。薬学部志望や。」
聞かずとも何となく予想していた通りの答えに、うちは蔵と会話するために僅かに凭げた顔をまた机に沈めた。
「ああ…、道端の雑草にすらエクスタってそうやもんな…。そら悩む間もなく薬学部やな…。ええな悩みなくて。」
「お前仮にも自分の彼氏に向かって酷ないか?」
「あー…めっちゃ悩む…」
若干傷ついたっぽい蔵をスルーしてうちは再び真っ白な進路調査と向き合った。向き合った所で思い付く訳ないんやから、いっそ目からレーザービームでも出て跡形もなく燃え尽きてしまえばええのに。
「今物騒なこと考えたやろ。」
「なんで。」
「めっちゃ悪い顔しとったわ。」
「ほんま?よお見てるな。」
ははは、と乾いた笑いが漏れた。進路や夢や言われてもイマイチ自分事として考えられへんし、何がやりたいか聞かれてもはっきり答えられへん。明日のこともわからんのに、未来の自分なんて想像出来る筈がない。
「なんで?悩む必要ないやろ、一択やんかめのうの進路。」
さらっと言ってのける蔵ノ介。けど蔵の言う一択の選択肢すら見えんから、今こんなに頭悩ませてるんやで。わかってるんか。
「一択て…まさか留年って言いたいん。」
「アホ、ちゃうわ。俺の嫁や。」
「………は?」
「せやから、俺に永久就職で決まりやろ。めのうの進路。」
思わず聞き返したけど、どうやら聞き間違いではなかったらしい。蔵ノ介はうちと対峙するペラ紙を拐っていった。あと所在なく転がってたシャーペンも。そんで勝手にうちの進路調査に何か書き込んで、声に出して読んでみ、ってぴらぴらとうちの顔の前でそれを靡かせる。
「第一希望、白石蔵ノ介の………嫁…。何勝手に書いてるん…」
言われた通り声に出して後悔した。さっきとは違う意味で机に沈む。それはもう、文字通り撃沈というやつで、きっとうちの顔は今グ●コの箱に負けんくらい赤い。300m余裕で走れる。そんで心はビリ●ンさんより黄金色に輝いてるわ…。何なんこれ、プロポーズ?
「顔にやけとるで?」
「誰のせいやねん…」
ああ、この勝ち誇った笑みすらカッコいいと思ってしまうんやから、うちの進路それ一択しかないみたいやわ。
進路希望は蔵の嫁!『こらめのう!お前これ進路調査ふざけとんのか!』
『大マジや!先生、うち卒業したら白石めのうになるから!』
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130109
OVAの蔵の残念なイケメンっぷりに絶頂した結果が…これや!!んー!絶(氏ね)
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