「俺達は二、三日こっちに居る予定だが…。ティエリア、お前はどうする?」
そうロックオンが聞きに来た時には、ティエリアは既に荷物をまとめ終わっていた。
「俺は先に戻らせてもらう。」
「あ、おい!」
扉の横に立ったロックオンの脇を擦り抜け、ティエリアはさっさと部屋を出ていく。
「全く、そんなに妹が心配かねぇ?」
その後ろ姿に、ロックオンは小さく苦笑いをこぼした。
早々と宇宙に戻ったティエリアは、プトレマイオスに帰ると真っ先に自室へ足を運ぶ。彼が必要以上に地上に留まろうとしないのには、地上嫌いという理由の他に、もう一つ大きな訳があった。
「兄様!!お帰りなさい!!!」
自室のドアを開けるなり飛び付いてきたオニキスの体を、ティエリアは両手で抱き留める。
「オニキス。…ただいま。」
オニキスはティエリアの体に腕を回して、ぎゅうっと顔をうずめてしがみついた。ぽんぽん、とあやすように背中を叩いてやると、オニキスはティエリアの顔を見上げる。
「…寂しかった。」
離れていたのはほんの数日なのに、まるで長い間会っていなかったかのように、オニキスの瞳が今にも泣きそうに揺れる。ティエリアは腰を屈めてオニキスと目線を合わせ、こつん、と額をくっつけた。
「悪かった。」
君を独りにしたくないから(ロックオン…、ティエリアは?)
(先に宇宙に戻るってよ。)
(本当に、オニキスのことが大好きなんだね。ティエリアは。)
Req≫兄妹設定
Req≫幼い妹夢
20080129
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