コンコン。
うとうとと微睡みの中にいた刹那は、ノックの音で目を覚ました。ベッドから起き上がり、こんな時間に一体誰だろうとドアを開けると、そこには隣室で眠っていたはずのオニキスが立っている。
「オニキス?どうした?」
「お兄ちゃん…」
オニキスは枕を抱き締めて、今にも泣きそうな…いや、泣いていたのかもしれない…目をして刹那を見上げた。
「怖い夢でも見たのか?」
オニキスはこくりと小さく頷く
「いっしょに寝てもいい?」
「あぁ。」
服の裾を掴み、縋るように自分を見上げる小さな妹に、刹那はふっと微笑みかける。くしゃりと頭を撫でてやると、オニキスは安心したように笑顔を浮かべた。
自分の枕を刹那の枕の隣に並べて、オニキスは布団に潜り込む。
「おやすみ、お兄ちゃん。」
「あぁ。おやすみ。」
やがて刹那の手を握り締めて、オニキスは安らかな眠りに身を投じた。
おやすみ、よい夢をずっと、隣にいるから。
Req≫兄妹設定
20080129
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