とりっく おあ とりーと!
oh…ジーザス!

いま目の前にいる子どもたちが悪魔に見えるよ……。


それはつい数分前。


ピンポーンと家のインターホンが鳴ったので、玄関を開けると仮装した少年探偵団の面々がいた。
もちろん、コナンくんと哀ちゃんも。

そして、

「「「トリックオアトリート!」」」

とキラッキラの笑顔でお決まりの言葉を言った。

そうよね、本来はこういうのがハロウィンよね。


てか、今日ハロウィンなのか。

「あー、お菓子ね。ちょっと待っててね」

沖矢さーーん!

とわたしは沖矢さんを呼ぶ。

「はいはい。
あぁ、今日はハロウィンでしたね。はい、どうぞ」

沖矢さんは用意していたお菓子を子どもたちに配っていた。

それで終わりだと思ったのに……。

「ねーちゃんはお菓子くれないのか?」

と元太くんが言い出した。

え?なにわたしもあげないとダメなの?

「沖矢さんからもらったやつじゃダメなの?」

「ダメですよ!僕たちは茜さんにもトリックオアトリートと言ったんですから!」

と光彦くん。

「もしかして、茜お姉さんお菓子持ってないの?」

歩美ちゃんか上目遣いでわたしを見てくる。
ちくしょー!可愛いなおい!

「う、うん。
生憎だけど、わたしは持ってないんだ」

「茜さん、お菓子持ってないんだぁ」

とどこか嬉しそうというか、何か企んだように笑うコナンくん。

何かすごく嫌な予感がします。

そして、追い打ちをかけるように哀ちゃんが

「なら、いたずらしないとね」

とこれまた何かを企んでるような笑顔でわたしを見る。

え?なに?いたずらって何なの!?

ていうか、何そのシステム!
お菓子は家単位じゃないの?
個人個人なの?

マジかよ……。


というかいたずらって何!?

と思っていたら、歩美ちゃんが何やら服を渡してきた。

「茜お姉さんにこれ、着てもらいたい!」

「うん?これを着ればいいの?」

そう言って受け取った服、よく見ると何やらコスプレのようだ。

マジかよ……。

「茜さん、早く着てみてよ」

何て天使のような悪魔の笑顔でコナンくんが言う。

いたずらってそういうやつなの!?

まぁ今日だけだしな。何より可愛い子どもたちのお願いだから、しょうがない。

と思ってたんだが………。



いざ着てみると、スカート丈が短い!
そして、ふりふりのふわふわなんだけど!

「いや、待って待って!
これは厳しいものがあるって……。
わたし28だよ?
え、えー……。そして、何で赤ずきんちゃんのコスプレ!?」

「わぁー!茜お姉さん可愛い!!」

「良く似合ってるじゃない」

いたずらってそういう……。
メンタルが抉られるよ!

「あ、ありがとう……」

一応お礼は言うけども……。

そんなやり取りをしていたら、

「さっきから何してやがる」

ジンさん登場……あ、嫌な予感しかしない。

「あ!銀髪のお兄さん!
トリックオアトリート!」

「あぁ?俺は菓子なんざ持ってねぇよ。沖矢昴に貰っただろうが」

「ジンさん、どうやらそれは通用しないみたい」

「それで、お前はそのザマか」

「……はい」

ジンさんにまじまじ見られると、顔が真っ赤になる。
ヤバい何だこの羞恥プレイは!

「ほぅ。……それでガキ共は俺に何をする気だ?」

「銀髪の兄ちゃんにはこれを付けてもうぞ」

元太くんがジンさんに渡したのは、狼さんの耳としっぽだった。

ですよね!
そうなるよね!

何だこの仕組まれたようないたずらは!

お前らか!

コナンくんと哀ちゃんを見ると、それはもう愉しそうに笑ってる。








狼さんになったジンさんを見て子どもたちは満足したのか、わたしとジンさんのツーショットを撮ってまた次の家に行ってしまった。

あ、その写真あとでちょうだいね、コナンくん。

「さて、着替えるかな」

「待て」

「だが、断る!」

待てと言われて待ったら絶対ヤバいと思い逃げようとするが、まぁ逃げられないよね。

「俺から逃げられると思うなよ?」

ヤバい。今のジンさんマジで獣のような目をしてるよ!

「ジ、ジンさん……」

「赤ずきんは狼に食べられるんだろ?
なぁ、茜。
じっくり味わってやるよ」

後ろから抱きしめられ、太腿をそれはもうねっとりとした手つきで撫でられる。

そして、

「Trick or Treat」

と耳元で囁かれた。


ジンさんとの長い夜が始まる……。





とりっく おあ とりーと !
(菓子はいらねぇから、いたずらさせろ)


おわり


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bkm

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