二日目の終わりに

夕飯を食べ終えて、一悶着あって、お風呂に入って、さぁ寝るぞ!

と思ったけど、ジンさんの車で爆睡してしまったが為に……

「ね、寝れない……眠気が来ないぞ?」

いつもなら寝ている時間でも、今は目が冴えている。

さて、どうしたもんか……。

今日は赤井さんのところに行ってみようかしr……

「まだ起きてやがったか」

「ジ、ジンさん…!?」

わたしの心を読んだのかっていうぐらいに、タイミング良すぎるんですけど!?

「ハ、どうせお前のことだ。昼間寝すぎて眠れねぇんだろ?」

「……はい」

「ガキか」

「そんなこと言われても…眠気に勝てなかったんだもん」

あのふわふわした感覚に勝てるわけがない!

「仕方がねぇな。
一杯付き合え」

「晩酌、ってこと?」

「あぁ」

ジンさんと晩酌……何それ胸キュン!

「お、お付き合いさせていただきやす」

「お前はウォッカか」

「へい兄貴」

「似てねぇな」

「知ってるよ!」





それから二人でリビングに移動すると、赤井さんがいた。

ジンさんは案の定というか、分かりやすく舌打ちをする。

「シンデレラは寝る時間じゃないのか」

赤井さんはすでにお酒を飲んでいた。
あれってバーボンというやつ??

てか、絵になるなぁ。
無防備に首元をはだけさせちゃって、やだもうかっこいい!!

「もしかして、もしかしなくても、シンデレラってわたしですか?」

「それ以外に誰がいる」

赤井さんは深い緑色の瞳で見つめてくる。
ちくしょー、良い男じゃねーかよ!

あ、そうだ。
わたしはジンさんを見上げる。

「……ジンデレラ……」

ボソッと呟いた瞬間にほっぺたを思い切り挟まれた。

「むぐぅ…しゅみましぇんでした…」

「フン……」

「仲良き事は美しきかな」

赤井さんはわたしたちのやり取りを微笑ましそうに見ている。

「そうだよー。わたしとジンさんはラブラブなのです!」




それからなんやかんやあって、3人で呑むことになった。

のだけども……

「おい、まさかもう酔ったのか?」

「……んー、よってないけど、ねむい」

赤井さんにバーボンの水割りを作ってもらって、飲んでみたはいいけど、うん。
3分の1も満たない量でもう頭がふわふわする。

わたしは隣にいるジンさんに寄りかかった。

「寝るなら部屋で寝ろ」

「やー……ジンさんといるー。ジンさんといっしょがいーいー」

頭をぐりぐりとジンさんに押し付ける。
いつも以上に面倒なことになってるけど、わたしにはどうしようもできない。
ジンさんに甘えたい欲求が溢れてしまったから。

「彼女はいつもこうなのか?」

「こいつは普段は酒を飲まねぇ。気まぐれで飲んだ時はすぐに寝落ちした」

ジンさんは自分のグラスに入ってるお酒を一口飲む。ただそれだけなのに、

「あーもージンさんかっこいい!!すき!だいすき!あいしてる!!」

「分かったから黙ってろ」

ジンさんはわたしの背中をトントンと一定のリズムで叩いてくる。

「んー…ジンさん、すきなんだもん……ん、……ぅ……すぅ……すぅ」

背中をトントンとするのは反則だ。
瞼が自然と閉じて、もう開けることはできない。
でも、寝てしまったらジンさんと離れてしまいそうで、それが嫌で完全に寝落ちてしまう前にジンさんの服をぎゅっと握りしめて、睡魔に身を委ねた。



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