これから帰るなう。
そう沖矢さんにメールを送り、ジンさんの車に乗っていざ工藤邸へ。
「ねぇ、ジンさん」
「何だ」
「ベル様に気づかれたかな?探り屋バーボン発動しちゃうかな?」
ちょっと心配になってしまう。
もし、ジンさんに危険が及んだらと考えたら不安なのだ。
「安心しろ。
お前は俺が守ってやる」
「それは嬉しいけど、わたしはジンさんのが心配だよ」
ジンさんに危害が及ぶなんてことは、絶対に嫌だ。
「何情けねぇ顔してんだ」
「…だって、だって」
どうしても不安が拭いきれない。
すると、ジンさんは車を路肩に停め、わたしのほっぺたを包み込んでおでこをくっつけてきた。
おでことおでこがくっついてるから、顔が近い……。
「困った奴だな。
俺はそう簡単には殺られねぇよ。
それともお前は俺が弱いとでも?」
「そんなことない!ジンさん強いもん」
「分かってるじゃねぇか」
良く出来ましたと言わんばかりに、おでこにちゅーをしてきたジンさん。
うぅ……なんか釈然としないが、わたしが折れないとずっと平行線な気がする。
「……今日はそういう事にしとく」
「ずっとそういう事にしておけ」
ちゅ、と鼻の頭にキスをしてから、車を発進させた。
だんだんと眠くなってきたわたしは、うつらうつらと船を漕いでいた。
「眠いなら寝とけ」
「…うー、ん…」
ジンさんの車は乗り心地がいい。
隣には大好きなジンさんもいるし、最高だ。
わたしは誘惑に身を任せて、意識を飛ばした。
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bkm