微睡みのあとは

コーヒーを飲みながら(ジンさん曰く、そんな甘ったるいもんはコーヒーとは言わねぇだってさ)二人でソファでまったりしてたら突然、ジンさんがわたしの膝の上に頭を乗せてきた。

「え?ちょ、ジンさん?」

「寝る」

たった一言そう言って、目を閉じるジンさん。

「いや、ちょっと!ベッドに行こうよ」

「黙ってろ。30分経ったら起こせ」

「え、えー……何なのよ」

昨日はやっぱり寝てなかったのかな?
そりゃそうか、赤井さんがいるところで無防備には寝ないか。

とりあえず、何かかけてあげないと。

しょうがないから、わたしのカーディガン貸してあげよう。

というか、ジンさんこれ膝枕というやつでは……。

それにしても綺麗な寝顔してるなぁ。

「……撮ったら殺す」

な ぜ バ レ た し 。

「と、撮らないから。さっさと寝てください」

「……チッ」

さっきまであんなに甘々なジンさんだったのに……。

頭を撫で回してやる。

なでなでとジンさんの頭を撫でる。

ジンさんの髪さらさらだなぁ。

顔に掛かってる髪を払いのければ、左の頬に赤井さんにつけられた傷が見えた。

それを指でそっとなぞる。

綺麗な顔に傷作っちゃって、お嫁にいけないぞ??

なんて、ね。

ジンさんのお嫁さんはわたしだったらいいなぁ。

あーぁほんとに綺麗な顔。

誰だよ美人は3日で飽きるなんて言った奴は。
美ジンさんは毎日見てても飽きないし、むしろ日に日に好きになる。

大好きなジンさん。

そっとほっぺにちゅーをする。

てか、ジンさん寝つき良すぎない?
もう寝息が聞こえるよ。

まぁ一睡もしてなかったら無理もないか。

でも、こんな無防備な姿を見せてくれるってことは、それだけ心を許してくれてるんだよね。

手の甲でジンさんのほっぺを撫でる。

あー、何かわたしも眠くなってきたな。

ちょっとだけ寝よう。




----



----





「…ぃ、……ろ…」

…ん?何か聞こえる

「おい、茜……そうか。
どうやら俺の眠り姫は濃厚な口付けをお望みのようだな」

「おはようございます!」

ジンさんの濃厚なちゅーはほんとに洒落にならないから!

ぱっと目を覚ますと、ものすごく不機嫌なジンさんと天井が見えた。

え?なんで天井?
わたし、ジンさんに膝枕してたよね?

「えっと、ジンさん?」

「何だ」

「何でわたしがジンさんに膝枕されてるの?」

そうなのだ。
今わたしは、ジンさんに膝枕されているのだ。

「お前がいつまでも眠り呆けてるからだ。
30分で起こせと言ったはずだぞ」

1時間も寝かしやがってとか言ってだけど、昨日寝てないなら1時間でも足りないくらいだと思うよ?

「…ゆっくりできていいじゃん?」

なんて言ったら、激しいキスの雨が降ってきた。

「んん!……ちょ、…ジ、ジン、さ…んん……っ」

「…ん、っ…はぁ」

呼吸することさえままならない濃厚なちゅーで、あと寝起きだから頭がくらくらする。

苦しくなって、ジンさんの肩を押して体を離そうとすると、片手で両方手を拘束されてしまった。

もう、されるがままジンさんのキスを受け入れる。

一頻りキスを堪能したジンさんが唇を離すと、二人の間に透明な橋ができてぷつんと切れた。

やだ、エロい……。

違う。そうじゃない。

「いきなりちゅーするの禁止!」

「ふん。知るか。
俺がしたかったからしただけだ」

「なんて、横暴なんだ」

まぁジンさんらしいっちゃらしいけどさ。

でも、ジンさんのちゅーは中毒性が高い。

濃厚なちゅーも癖になりかけてる。



-


prev / next

bkm

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -