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「ホー、異なる世界からですか」

ジンさんの説明が終わると、沖矢さんが片目を開けてわたしを見つめる。

「ちょ、沖矢さん開眼するの禁止!
かっこよすぎて死ぬ!
助けてジンさん、このままだとわたし萌え殺されちゃう」

「テメェは少し黙ってろ」

「はい、すみません!
黙ってます」

ちょっと凹むんですけど、いや、わたしが悪いのは分かってるけども、
シュンとしちゃうぞ?

なんて思ってたら、優しく頭を撫でられた。

チラリとジンさんを見ると、何か優しい顔してらっしゃる……え?ちょ、
やめて!
そんな顔されたら、わたし死んじゃうよ!幸せすぎて死ぬ!

「ねぇ、茜さん。
この人は本当にあのジンなの?」

なんて悶えてたら、コナンくんがわたしの顔を覗き込んできた。
今顔を見られたくないんだけど。

「ジンさんはジンさんだよ?
出会ったときは本当にコナンくんたちが知ってるジンさんだったよ」

あの時はマジで怖かったぁ。ちょっと悪戯っぽく言えばジンさんは、ふん、とそっぽを向いてしまった。

「信じられん…」

そう呟いたのが、赤井さん。

「ぅえっ!?あ、赤井さん!?」

変声機のスイッチを切って赤井さんの声に戻っていた。

「俺の正体を知っているなら、隠す必要もないだろう」

「あ、赤井しゃん……マジ尊い」

「赤井さん、いくらなんでもまずいんじゃ」

コナンくんの表情が強張るが、


「俺はこいつがいる限り組織に関わる気はねぇ」


「なに?!」

「なんですと!?」

ジンさんの発言にコナンくんとわたしが驚いた。

「ホー、どういう風の吹き回しだ?」

沖矢さん、もとい赤井さんは完全に目を開けてその深い緑色の瞳でジンさんを見つめた。

「こいつを厄介なことに巻き込みたくねぇだけだ。
仮にも俺の恋人だからな」

「ジ、ジンさん…」

ジンさんはわたしを抱き寄せて、すっと頬を撫でてくれた。
その仕草がめっちゃ優しいの何のって、とんでもなく甘く優しい。

ちょっとうっとりしてしまう。

「あのジンをここまで手懐けてしまうとは、君は一体何者なんだ?」

「え?何者って……これはあれか?
江戸川コナン、探偵さ!みたいなことを言わなきゃダメなやつ?」

「は、テメェはオタクでただの引きこもりだろうが」

「にゃにをー!
オタクは認めるわよ!
でも、引きこもりとは失礼ね!ちゃんと仕事に行ってたでしょー!」

「休日は一歩も部屋から出ねぇじゃねぇか」

「休みぐらい部屋でゴロゴロしてたいじゃん!」

さっきの甘い雰囲気はどこへやら。
わたしとジンさんはいつもこんな感じなのだ。

端から見れば痴話喧嘩らしいけどね。

コナンくんと赤井さんが何か呆れてる感じがする。





ダメだ、オタクはすぐに脱線してしまって。

最も重要なことを言うのを、忘れてた。

「あ、あの、一つ言い忘れたというか、お願いがあるんですけども、」

「何だ?」

「ここに住みたいです!ジンさんと一緒に」







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