―――…翌朝



蒼助がいつも通りだらだら起きて日番谷へ挨拶しに行こうとすると、定例集会が開かれるあたりから尋常じゃない霊圧を感じた。

急いでそちらへ向かおうと部屋を飛び出すと、偶然にも日番谷と居合わせた。

二人は言葉は交わさず、目だけで合図をすると、霊圧を感じた方へ急いだ。


蒼助は思わず、一度足を止めて惨劇を見つめた。

…藍染隊長が壁に突き刺さっている。


日番谷が、暴走している雛森と吉良の間に割って入るのと、蒼助が市丸の前に現れたのは同時だった。



市丸「おや、十番隊三席の神埼くんやないの。

どうしたん?そんな怖い顔して」



蒼助は市丸の顔を静かに見つめたまま、首を横に振った。



蒼助「今、俺が来なかったら、あんたは雛森副隊長を殺してた」



冷たく言った蒼助の目を、市丸の涼しげな顔が見返す。

連れて行かれる雛森と市丸の間から引こうとしない蒼助。



日番谷「今のうちに言っておくぜ。

雛森に血流させたら、俺がお前を殺すぞ」


市丸「そら怖い。悪い奴が近づかんように、よう見張っとかんといけませんなぁ」



含みを持たせた言い方に、蒼助が口を開こうとした瞬間、騒ぎを聞きつけた死神たちが集まってきた。

みな藍染の亡骸を見て騒然としている。



日番谷「藍染隊長を、降ろしてやってくれ。

……行くぞ、神埼」



日番谷が隣を通りすぎるのを待って、後ろへ続く蒼助。

途中市丸を振り返ったが、すぐに前を向いた。






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