一護は女から飛んで離れた。
こいつは…やばい。
急いで斬魄刀を構えて女を見据える。
一護「なんで、俺の名前知ってんだ」
「うーん、つまり肯定ととっていいのね?」
のんびり構えている女。
なんだ?何を考えているんだ?
「私の名前は桜木姫衣。よろしくね、一護くん」
一護「俺の質問は無視かよ」
姫衣「一角を倒したそうね」
一護「おーい、聞こえてんだろ」
姫衣「一角から話は聞いたよ」
耳の奥で、一角の声がよみがえる。
“うちの隊長には気をつけろ”
一護「まさか、お前が隊長…なのか?」
姫衣「え、違うけど」
一護「違ぇのかよ」
チッ何なんだよこいつ。
さっきの死神たちの態度といい、隊長でなけりゃ何なんだってんだ。
それに、俺の名前まで…。
姫衣「とりあえずさ、殺ろっか」
一護「…っ!」
一気に膨れ上がる殺気。
浦原さんから教わった人を殺す覚悟が、目の前の華奢な女から湧き上がる。
……殺される。そう、直感してしまうほどに。
一護「最初から、そのつもりだったんだろ」
逃げるわけにはいかない。
ルキア、必ず助けるからな。
前|次
back