微かに残った霊圧を辿りながら、一角から聞いた人相を捜す。
遠くのほうでざわめきが聞こえた。ニヤリと口角をあげると、真っ先にそちらへ走っていった。



一護「あぁもうしつこいなぁ!!!」



一護がガラの悪い死神たちに追われながら、これからどうしようか悩んでいると
突然目の前に、音もなく女が現れた。





一護「んなっ!?」



明らかに雑魚とは違う。反射的に戦闘準備をすると、女はニィっと笑って頭上を飛び越えた。
思わず口をあけたまま成り行きを見つめる。



「なんだなんだぁ!?」

「旅禍の仲間か!?」

「誰だろうとかまわねぇ!!」

「たたき斬っちまえ!!!」



女は一切動じずそこに立っている。
ガラの悪い死神たちは一目散に走っていたが、女の目の前で急にブレーキをかけてストップした。
先ほどの勢いはどこへやら、みな冷や汗を流している。



「な、なんであなたが…」

「どういう風の吹き回し…ですか」

「桜木四席」



静かに死神たちを見つめていた女が、にっこりと笑った瞬間……
死神たちが、地面に倒れていた。



「私の獲物よ。邪魔しないで」




何が起きたのかわからなかった。
瞬きをするほんのわずかの間に、全員倒しちまった。



全身の細胞が危険信号を発信する。




女と…目が合った。


姫衣「お前が」



姫衣は旅禍のすぐ目の前に現れた。
心底驚いた表情の旅禍。



姫衣「黒崎一護か」






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