お題集 | ナノ
 In Love With You Forever(レノ)

「レノー暑苦しいー離れてー」
「それは無理なお願いだぞ、と」
「無理なのはこっちです。暑苦しくてたまんないんですけど」

俺がケイを後ろから強く抱きしめていると、ケイは抗議の声を上げた。いつもなら俺の抱擁を嫌がらないが、ここ最近の猛暑のせいで、全然俺の抱擁を快く受け入れてくれない。

「愛する女は離しちゃダメだって言われてるんだよ」
「はぁ?誰に?」
「母親」
「…は?」
「行くところまで行けないなら恋なんかするな、理想の相手を見つけろ、自分の全てを彼女に捧げろ、しっかり捕まえて絶対離すな」
「…そう、ママに教えられたわけね?」
「その通りだぞ、と」
「…くくく」
「ん?」
「いや、ちょっと面白かっただけ。レノにもママがいたんだね」
「…俺だって人の子だぞ、と…」

なんとなく少ししょげてみると、ケイはくすくすとおかしそうに笑った。そしてごめんね、と言いながら俺の腕の中でごそごそ体を反転させると、俺をぎゅっと抱きしめ返した。

「じゃあ私もレノのこと、しっかり捕まえて離さないことにするね、レノママの教えに従って」

そう言って悪戯っぽく笑うケイがあまりに愛しくて、俺はケイの額にキスをした。ケイがくすぐったそうにまた笑う。

ケイと出会ったのは、雨の降りしきる夜、ミッドガルの外だった。まるで泣いてるように笑って俺を見たケイに、一瞬で心を奪われたのを覚えている。太陽が月を照らすように、俺の世界に光を灯した。

あの日、あの時抱いた想いを、今でも同じように抱いている。あの日、あの時から、ケイは俺の全てになった。

俺の気持ちは天気にも気温にも左右はされない。こんな猛暑だろうと、あの日みたく雨が降りしきっていようと、そんなこと結局はどうだっていいわけだ。日毎に強くなる想いや気持ちは、変わり続けて今になっている。

「…一生ケイに恋してるぞ、と」
「…愛じゃないの?」
「愛は変わらずいつだってここにあるけどな、恋はどんどん進化していくからいつだって恋してたいんだぞ、と」
「…退化しちゃうかもよ?」
「…恋は盲目、っていうだろ」
「ふふふ、そうだね。じゃ、私もレノに一生恋してる」

ケイはそう言って小さな体で俺を見上げて、精一杯背伸びをした。それに合わせて少し屈んでやれば、そっと唇が重なり合う。

きっと俺たちは、死ぬまでずっと一緒なんだと、そう感じた。俺は絶対にケイの元を離れないし、離れられないからな。

俺はケイのもので、ケイは俺のもの。

In Love With You Forever
(一生君を愛してる。一生君に、恋してる。)

2011.08.27

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