意地悪な貴方

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綺麗な満月が浮かぶ夜の空の下、



寝静まる街の闇の中。




一軒の家の灯りだけが深いカーテンからぼんやりと染みだしていた。



『っあ、ふ...も、や...ぁっ』



甘く啜り泣く少女の上には、少し余裕を無くし瞳の奥に妖しい炎をちらつかせる男。





この男こそが千鶴の恋人であり、信頼してる教師...千鶴のクラス受け持つ担任。




本当、顔も整ってて意外と料理が上手だったりいつも私の事心配してくれたりとても愛しい人...




普段眉間に深い皺を寄せているせいか鬼教師なんて言われてるけど...




時々笑いかけてくれる先生の顔は不意討ち食らう並みにときめく...





けど、やはり先生は鬼だと思う。だってこういうときの彼は凄く意地悪だから。




「おい、なに考えてやがる?...泣いてる割には余裕みたいだな」




不意に膣の中に埋まる異物感に身を捩ると、綺麗な紫色の瞳が弧を描いた。




いつもは見せない行為中の彼を幸せだなと顔を綻ばせると、案の定土方先生は私の耳元に優しく息を吹きかけ、





密口の浅い場所で留めていた骨張った指は再び何かを探るように疼きだす。




急に再開された酷く優しい愛撫に千鶴は脚を閉じようにも腰から爪先までを流れる甘い痺れに力など入らず、白い喉元を仰け反らせる。




「また、イったのか?」



声にならない弱々しい歓喜とともに、次は余韻に息を乱す彼女が愛しくて、





暗示にでもかかったかのように俺は一心不乱に白い肌に口づけを落とす。




頬、顎、首筋...鎖骨、ゆっくりとなぞる様に軽く唇で噛むと漏れる艶めかしい声に口元が卑猥に弛む。




千鶴、好きだ。いくら愛してもお前が足りねぇ。



だから、もっと―...。




『ぅん、あぁ土...方せん、せぇッ..』



肩で息をする度に震えるマシュマロみたいな可愛らしい膨らみ。




頂についた紅い飾りを掠めれば、甘ったるく切ない喘ぎが小さく響いた。



其から、栗色の瞳が潤いを増して土方先生を見上げた。



堪らなく、可愛らしいその誘うような姿に何かがキレかかる。




それでもと残りわずかな理性を飛ばさずに耐える。


お前の口から聞きたい...



「ほら千鶴、どうして欲しいんだ?」



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