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※臨也視点

朝、目が覚めたら見慣れた顔がそこにあった・・・。シズちゃんそっくりの顔。愛おしくてつい頬をなでてしまった。彼がいなかったら俺は今頃どうなっていただろうか。想像できない。俺が彼を作ってもらった理由はただ一つ。シズちゃんの代わりにしたかったからだ。でも、そういうわけにはいかずこのように行為のあとはどうしようもない虚無感に襲われる。最中はあんなにも満たされているというのにどうしてこんな気持ちになるのだろう。やっぱりシズちゃんの代わりなんてどこにもいないのだ。

津軽は優しい。昨日も弱った俺をなぐさめてくれた。まあ、俺だけを愛するように設定されているのだからあたりまえなんだけど。

昨日のシズちゃんとのセックスは本当にひどかった。俺をちゃんと人間として見てくれてない感じ。いつも通り家に呼ばれるところまでは普通だったけど、家に入った瞬間いきなり手を縛られて目隠しをされた。そしてそのまま行為に移ったというわけだ。いつもなら少し自分で慣らす時間をくれるのにいきなり貫かれて息をするのも苦しかった。俺の快感など完璧無視で好き勝手に打ち付けてきて痛みしか感じなかった。途中何度も、やめてとか痛いとか訴えたけどそれも完璧スルーでもう苦痛でしかなかった・・・。それでもセックスのあと気絶した状態から目を覚ますと身体は綺麗に拭かれ中に散々出された精液もちゃんと処理してあった。行為の最中は俺に一切気を使わないのに、こういうふうに中途半端な優しさをくれるなんてずるい。諦めたくても諦められないじゃないか。シズちゃんがどうしたいのかが俺にはわからなかった。告白なんてするんじゃなかった。

今更後悔しても遅いけど、このままズルズルとこんな関係を続けていいものか。いい加減終止符を打ったほうがいいかもしれない。

俺のためにも、シズちゃんのためにも。

 

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