絶望と踊る深夜のワルツ
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『私』は普通の社会人女子だった。
就職氷河期にぶち当たりはしたものの、なんとかそこそこ有名なお菓子屋チェーン店に就職して、辛い、辞めてやると思いながら日々働いていた。
何だかんだ、上司以外との関係は上手くいっててそこそこ充実した日々を送っていた。
けど、そんなありふれた私の日常は唐突に終わりを告げた。
【絶望と踊る深夜のワルツ】
私は『殺された』
最後の記憶は駅のホームに入ってくる特急電車。
背中を強く押す手。
---私を見て恍惚に微笑む男。
そして、甲高い叫び声。
それら全てを一瞬にして把握した私は理解した。
あぁ、私
殺されたんだ。
絶望と踊る深夜のワルツ
(今でも脳裏を彩る、あの瞬間の紅い記憶)