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どう思おうとも、それは自由だと私は思っている。

しかしながら、それは思想の自由に基づいたモノであり、それを振りかざしてもいいという事にはならない。


「……ごめん、阿佐ヶ谷くん。言ってる意味があまりよく分からないんだけど」

「俺は、霧嶋さんが好きだ」


朝からこの男は何を言っているのだろうか。

それも公衆の面前で。


「だから、この先もずっと霧嶋さんに話しかけるし、誘うし、その……迫ったりも……する、よ」


元よざわついていた周囲が、より一層ざわついたのは言うまでもないだろう。


嘘でしょう?だとか。

あり得ない!だとか。

色々な言葉が飛び交う中、最も鮮明に聞こえた彼の声は当たり前だが周囲にも丸聞こえだ。


「……阿佐ヶ谷くん」

「な、何?霧嶋さ」

「迷惑だから、やめて」

「……っ」

「必要以上に関わらないで」


嘘でしょう?も。

あり得ない!も。

寧ろ私のセリフ。


噂=虚実
(もう、そっとしておいてくれないかな)

 
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