中篇 | ナノ

キミノキモチガワカラナイ



アレルヤは刹那にはやったらめったら甘いのに俺にはなんか冷たいと思う。
といってもティエリアみたいじゃないけど、何て言うか、辛辣。というか。
これは大人として心を許して貰っているのだと思うべきなのだろうか。
そんな事を思っていたある日、ついにぽろりと本音が出てしまった。

「アレルヤって、俺にだけ態度違うよな」

心を許していたのは俺の方で、本当にぽろっと。
無意識だった。余りにも自然に言葉に出過ぎてしまっていて、その後のアレルヤが切れ長の瞳を限界までまぁるくしてるのを見て、あ、おほしさまの色だ、と呑気に思っていたりしたくらいで。
そしてすぐにその瞳の色が示していた驚きが、とろりと微睡んだ。

「……ぼく、結構ロックオンのこと気に入ってるんだけどな」

的を射ない返事が返される。なんだ、気に入ってるって。

「信頼してるし」

返された言葉に内心眉を顰めたが、そこからどう返そうかと拱いているとその怪訝が通じてしまったのか補足の言葉がやって来た。

「尊敬も、してるよ?」

そうして見慣れた困り眉の微笑みを浮かべる。ここでその顔をするのは、ずるいと思う。

「でも、他の奴とは違うじゃないか」
「……貴方が特別ってことなんだよ?」

ずるいと思っていた矢先に、そんな事を言ってくれるだなんて思ってもみなかった。
そんなキャラじゃなかっただろうに、

「貴方だけなんだけどな」
「じゃあ、今晩どう?」
「12時には帰してくれるならね」

「だってぼく、まだ未成年だから」

……ほら、やっぱり!


20150325

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