NieR Re[in]carnationメインクエスト4章ハードクリア後ストーリー読了後推奨妄想
2021/03/03

アケハさんと敵国嫡子の男装娘のその後のあれそれ。もちろん妄想です。



過去の生活を捨てた2人、でもそれぞれの捨て方はきっと違っただろう。
男装娘(以降、少女)の家は、メインクエストノーマルのストーリーの通り、アケハさんが命がけで家そのものを潰した。
一方で、アケハさんはきっと、家と縁を切る捨て方だったんじゃないかなと。
なんせ鬼の一家、いくらアケハさんが強くても全員を斬り捨てて家を潰すことなんてできないだろう。
今もあの世界のあの時代の裏で、大名から指令を受け続けている。
もちろん当主であれど、逃亡は許されなかっただろうし、追手に追われ続けている身の上で築き上げた平穏の日々なんだろうな。

逃避行を繰り返し、追手の激しい追跡を撒き時には斬り伏せ、ようやく落ち着けるかというとき、田舎の、村はずれというより山のふもと、ほとんど人がいないような木々の隙間を縫うようにして建てられた小さな空き家に2人身を寄せるんだ。
敵国から連れ出した少女は、はじめは所作が男児のそれだったんだろうな。世継ぎとして育てられたんだもの。
言葉遣いからはじまり、立ち居振る舞いに至るまで、アケハさんに仕込み直される少女。
アケハさんは、時には殺しの対象に警戒心を抱かせることなく近づくための手段として女性の振る舞いをしっかり身に着けてるもんね。料理はしてこなかったけどね。

そこから5年の歳月を共にするわけだけれど、その間にお互いの存在がなくてはならないものになっているのは想像に易い。
少女にとって、自分を勝手に生み、勝手に生かし、いいようにもてあそんできた家を潰してくれたアケハさん。
アケハさんにとって、ここが自分の居場所だと自ら逃げ込んでいた鬼の巣から一歩どころか何歩分も踏み出させてくれた少女。
自分にとって正しい性別で生きるための知恵を授けてくれたアケハさん。
この少女を一人前に育てることでほんの僅かの罪を償えないだろうか、って考えもあったろうな。

絶え間なく伸し掛かる罪の重圧と、追手の手が少女に掛けられやしないかという警戒心から、アケハさんはきっと常に眠りが浅くって、眠れても冷や汗びっしょりで飛び起きたりするかもしれない。
そのたびにすぐ隣で安心しきったように眠る少女の寝顔に安堵し、荒んだ心が癒されるのだけれど、その顔にかかる髪を払ってやれる手はないんだ、って伸ばした手を引っ込めるんだ……。
こんな血に濡れた手で触れるなんて、って目を落としていると、ある日少女がその手を掴む日がやってくるんだよね。
彼女が常に嵌めている深紅の手袋を外しながら、「私もう16だよ?」だなんて。
アケハさん自身の、真っ白な手が顕わになるんだ。
でも「そうだねぇ」と、仄暗い気持ちのまま、彼女はため息と一緒に吐き出すんだ。「もういい年ごろだろう、佳い男がいたら必ず捕まえるんだよ」。
それを聞いた少女はとても怒った。
はじめからそのつもりで私を育てたのかと、感情のままに泣き叫んでボロ家を飛び出すんだ。
不便極まりないはずのこのボロ家で生活をしているときにだって一度も駄々をこねたり不満を口にせずいつもにこにこと懐っこい笑顔を向けてくれていた少女の、涙をにじませた怒り顔にはさすがのアケハさんも面食らった。
そんなおかしなことを言っただろうか、と静まり返った家に取り残された彼女は考え、しばらく動けなかった。

どれだけの時間が経ったあとか、陽が傾くころ、不意にボロ家の戸の向こうに気配を感じた。
気配は少女のものだから、身構えることなく戸が引かれるのを待っていたアケハさんだったけど、なぜか向こうの気配はためらいがちで。
不審に思ったアケハさんが戸を見つめていると、少女は決意を固めるように息を吐いて、ようやくガラッと戸を一気に引いて。
アケハさんの目に映ったのは、長く伸ばしていた髪を、出会った「あの日」くらいに短く切り揃え着流しを身に纏った、まるで5年前の世継ぎがそのまま育ったかのような出で立ちの少女だった。っていう。

いつの日だったか、茶屋を羨ましそうに遠くから見つめる彼女の目を忘れられなかった少女は、団子を買って帰ってきてくれたんだ。
「あなたと一緒にいるためなら、私が佳い男になるよ」って。





アケハさん幸せになってくれ頼む!!!!!!!てか幸せにしてくれ少女!!!!!!!!!
君の名前を教えてくれ少女!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



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