イトコメリクリ
キンタロー 2017/12/27

「これが一番」
 それがそんな風に言われているのを見るのは初めてではなかったのだと思う。色々読んでみたが、と前置きした従兄弟の手の内には、柔らかなタッチで描かれたサンタクロース。
「結局、宗教行事というよりこういうことだろう?」
 青い瞳は大真面目だ。大真面目には大真面目を返すべきかとグンマが思う隙に、もう一人の唇が開いた。
「そーかもな」
 そうして笑みを浮かべる一呼吸前にシンタローの内に滞留し、躊躇われた言葉を読みとれてしまったもので、グンマは苦笑した。ささやかな貧乏くじだ。


おとうさまからシンちゃんに贈られてシンちゃんがコタローちゃんに読み聞かせてきた絵本


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