■ 君が悲しむとき僕は笑う

君が泣いている、僕はそれをこっそり喜ぶ。君が悲しんでいる、僕はそれを慰める振りをする。

「…どうして…、どうして、死んでしまったの…?私を残して…」

悲痛な声で囁いて、あいつに取り縋る君。僕はそれを悪魔のように妬む。
だから僕は君の肩をそっと抱き寄せる。

「…泣かないで、大丈夫、僕が居るよ」
「ああ…、助けて……、私、私……」
「心配はいらない、僕はあいつに頼まれたんだ、君を幸せにしてくれって」

そうして、君の嗚咽ごと抱き締めて塞いでしまう。
ようやく手に入れた君。ようやく手に入れた君。もう離しはしない。逃しはしない。

「大丈夫、心配いらない。…これからは、僕がずっと側に居るよ」

僕が殺したあいつの代わりに、ね。




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