■ あくび、2
お家に帰れば、すぐにそのまま兄様の居る酒場に。
「シャオ、お客様をよろしく」
あたしを見てそう言った兄様の目の奥に、少しだけ浮かぶのは、罪悪感。
あたしはなんとも無いのに。
だから笑って頷いてみせた。
はじめまして、お兄さん。
こちらは、はじめてね?
あたしはシャオラン。よろしくね
きっとすぐに忘れられるのだろうけど、あたしは目一杯笑ってみせる。
はじめて、お兄さん
きっとまた、そう繰り返すのだろうけど。
お酒とタバコと会話と、濁った空気の中であたしは今日も笑う。
ほんの少しだけでも覚えていて貰えるように。
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