■ 雨と傘2

しばらくしたら、教会の奥のドアが開いて。また、閉まった。

教会の神父様…。だと思う。
優しくて面白いお兄…、おじ様だった。

あたしの家族のお話を少しだけしたわ。
あたしの大好きな家族のお話。

凝っていた肩も揉んであげたわ。神父様もきっと大変なのね。

そして、フラウラさんが長生きのエルフさんだと途中で気が付いたの。
慌ててお姉様って呼んだら、寂しい顔をされたから。フラウラさんは、フラウラさん。とても優しい人、あたしとお友達になってくれたの。

すごく、楽しかった。すごく、嬉しかった。珍しく沢山お喋り出来たから。

しばらく肩を揉んだ後、ギガトールおじ様に傘を借りた。橙…オレンジ色の傘。

傘を借りて、ちょうどフラウラさんが帰ると言うから、あたしも一緒に帰ることにした。だって、おじ様が一緒に帰りなさいってそう言ったから。それに、お家ではきっと兄様も心配しているはずだったから。

橙色の傘を差して、教会を出て街まで。途中でフラウラさんとさよならをして。裏通りを駆けて、兄様の待つお家まで一直線に帰る。




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