■ 雨と傘3

傘を閉じて水気を飛ばしてから、お家のドアを開けて中に入る。

「お帰り、シャオ」

優しい笑顔で迎えてくれた兄様。閉じた傘を見て、少し首を傾げた。

「その傘、どうしたんだい?」

借りたの、と返せば眉を寄せながら軽いため息。

「だから傘を持って行きなさいと言っただろう?」

ごめんなさい、と言えば次は優しいため息。

「今度、返しに行っておいで。またお休みをあげるから」

結局は、あたしを許してくれる。そんな兄様。

雨は嫌いだけれど。
優しい人が居る街の雨は、少しだけ好き。

また、会えたら良いな。





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