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「なまえ、どういうことか説明してくれないか。」

「あ?改まってなんだよ、何を説明すればいいんだ?」


食事の準備をしていると、今日の当番である一くんが話をかけてきた。
なんのことだか理解できていない俺にため息をつく…。


俺何か悪いことでもしたっけ?
あぁ…石田散薬にこの前便秘によく効く薬をいれたのがバレた?
あまりにも石田散薬にベタ惚れしてたから総司と遊んで入れたんだけど…。

そのあと厠に駆け込む一くんは楽しかったなー……。
石田散薬に便秘効果がないことを土方さんとかに聞いたのかなー?


「しらを切るつもりか。いきなり井戸から現れたとかいう女のことだ。」

「へ、そっち?んだよ慌てて損したぜ。
心がどうかしたのか?あいつ見た目や中身は変だが面白いぞ?」


一くんはなぜか目を見開いて俺を見る。
さっきからなんなんだよ…爆弾発言でもしたかな俺…。



「あんたが女をそう認識するのは初めてだな。」

「あー…言われてみればそうだよな…。
俺もよくわからないや、でも表情とかコロコロ変わって見ていて飽きないんだ。
一くんも会ってみればわかるよ。」



にこっと笑いながら言えば一くんはどんどん不機嫌な空気を出し始めた。
今日はみんな不機嫌だな…朝飯きちんと食べてないとか?
もしくは具合でも悪いのか?


「一くん、具合が悪いなら部屋で休めよ。
あとは俺がやるからさ……。」


「違う………知ってはいたがやはり鈍いんだな。」




「うん?」



鈍いって何がだよ……。



────


「兄上、心は部屋で食べさせるのか?」

「あ、ああ……皆が怪しいから部屋の中にいさせろと言ってな……。」



食事ができあがり盛り付けをしていると兄が困った顔をしながら台所にやってきた。


心が怪しいから一緒に飯を食べたくないとか、何かあったら大変だからとか。
そういうことで心は部屋で飯をとらなくちゃいけない。



「……なら世話係を頼まれた俺はあいつの部屋で食べるしかないな。」


「だが総司達は、」
「頼まれたならきちんとやるのが道理じゃないのか兄上。」


兄の言葉を途中で遮る。


そうか、やはり総司達か。
みんな心のことを良くは思ってないようだ。
当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。


「兄上、あれを拾ってきたのはほかの誰でもない。
俺だ、みんながいうこともわかってる。
怪しいと思うなら監視する人間が必要だろ?」

「……しかしだなぁ…」

兄は納得してないようだ。
云々と唸っている。
このままだと拉致があかないと思った俺は二人分の膳を持ち、台所の入口に向かう。



「給料分きちんと働くって決めてんだよ、じゃあ後はよろしくな兄上。」


兄が止めるのも聞かず、俺はあいつの部屋に足を進める。

いつか千鶴みたいに受け入れてもらえるといいんだがな…。



────


「近藤さん、なまえはどうしたの?」

「いや、そのだな…自分は世話するよう命を受けたから彼女と食事をすると………」


「へぇー…やっぱり邪魔だな、あの糞尼。」



嫌な方向へ向かう歯車



鈍いだけじゃすまされない。




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