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翌朝、すでに着替えを済ませて化粧までしたアサヒに揺り起こされた。
飛び起きてると昨日よりもっと不安そうな顔をした彼女がスマホを握りしめて横に座っている。

「今朝また早く、Gボーイズの子が襲われた。病院行ってくるね」
「大塚か、送ってく」

おれはズボンだけ履き替えて車のキーを握るとアサヒとダットサンまで走った。
そして助手席に滑り込む彼女はどことなく小さく見える。なにも言えずにキーをひねった。

「なんで争うんだろう、カラーギャングなんてなければ良かったんじゃないかな」

そんなアサヒのひとりごとはタカシの前では絶対に言えない言葉。
グレーゾーンの統治はGボーイズじゃなくとも、誰かがやらなければいけない。大人とも子どもともつかないこいつらが統治するのは適任だと思っていた。でもそれは間違っていたのかもしれない。
それ以上考えることを放棄したおれはエンジンの音でアサヒの声が聞こえなかったことにした。最低だと言ってくれ。
そのまま2人で朝の車通りの少ない道を走った。


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