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それぞれの家の玄関から家に帰ったが、そのしばらくあとには湯上りのアサヒが窓伝いにうちへ来ている。
布団を敷いていたおれは、案の定だと笑った。
「来いよ」
布団に入り、少し掛け布団を持ち上げるとアサヒは猫のように潜り込んできた。
タカシには内緒の幼馴染みの特権。小さい頃から兄妹のように接していれば、欲情するものもしなくなる。
柔らかなアサヒの身体を抱きしめながらそう思った。
「思ったより早かったね」
「ああ、本当に悪かった。もっと本腰を」
「ううん、今回は磯貝の先手がよかった。仕方ないよ」
少し眠そうな声の反省におれまで眠くなってきた。そしておれたちはそのまま、泥のように眠った。戦争は始まったばかりなのだ、こうして英気を養わなければならない。当然のことだった。酷く傷ついた日は必ずおれの布団へ潜り込みに来るアサヒを抱いてそう言い訳がましく考えていた。
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