ロープで身体を繋げたあと、その後もしばらく走ったがやはり急いでるとはいえ三日三晩走り続けるのは逆に非効率だと判断したわたし達は急いでテントを張り互いの身体のロープも解かぬまま眠りについた。
スニフはもちろん、わたしだってスナフキンだってとてもとても疲れていて泥のように眠った。しかし急に襲ってきた腹部の痛みで目が覚める。
縛ったままのロープが引っ張られたのだ。隣をみるとムーミンが見当たらなく、繋がれたそれはテントの外まで伸びている。
それを辿るようにテントから這い出してまだ寝ぼけ眼で立っていたムーミンに訊ねた。

「痛いよー、ムーミン。どこ行くの」
「フローレンを探さなくちゃ」
「足輪の女の子?だめよ、ムーミン谷に着くのが遅くなっちゃうわ」
「彼女は僕が拾ったことを知らないんだ、きっとまだこの辺で探してる・・・」

そしてムーミンは頑固にそう言って固く結ばれたロープを外そうとした。うーん、恋の病は恐ろしいわ。ため息を小さくついたが、やはりわたしが折れて自分のロープを解きながら彼に言った。

「ああムーミン、わかったわ。わたしも探す。解いてあげるから待って」
「ありがとう、レディ・・・」

そのときだった、どこから女の子悲鳴が聞こえてきた。驚いて聞こえてきた方角を見る。

「あの子の声だ」

そして後ろからお化けの声だ、とスニフの怯えたような声がした。さすがにみんなも起きたようだ。
そこでまた女の子の悲鳴。ムーミンはいても立っても居られないようでロープもまだ解いてないのに走り出した。
わたしはもう自分のロープを解いていたがその後ろのスニフたちはまだ繋がっていたのでテントから芋づる式にスニフ、ミイ、スナフキンが出てきた。

「いた、たい、痛い!」

スニフは悲鳴を上げ続け、わたしは走り出したみんなの後を追う。
ムーミンは無我夢中でスニフの悲鳴が聞こえていない。

「絶対にあの子だよ!あの子が助けを求めてるんだ!」

ミイとスナフキンがスニフを追い越す。わたしも追い抜かした。
女の子の悲鳴はまだ途切れ途切れに続いている。スニフの悲鳴は途切れることなく後ろから聞こえている。

「あの茂みの中だ!」

そしてスナフキンがそう言い、茂みの中に入ろうとした矢先だった。ムーミンたち3人がどしんっと尻もちをつく。驚いて振り向くとスニフが木にひっかかり、引っ張られた3人が転倒していたのだ。
うーん、悲鳴は近いのに。スナフキンが持っていたポケットのナイフでロープを切り裂いた。ムーミンとミイが自分もとねだる。
わたしはここを彼らに任せて悲鳴の元へ向かうために先に向かった。

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