ヘムレンさんに手伝って欲しいと頼まれ、彼の庭の花壇を直してあげるとお礼に種をたくさんくれた。
採集の過程でうっかり混ざってしまい、よくわからなくなってしまった種らしい。捨てようとも思っていたがなんとなく捨てられず持て余しているという話を聞いてそれならば欲しいと言えば快く譲ってくれた。
「ほんとうにそれでいいのかね?もう古いものもあるから芽が出るかも分からんが」
「うん、ありがとうございます」
袋の中には手に取るのも大変そうな小さなものから少し大きめのもの、色や形もさまざまな種が入っていた。
面白そう、どんな花が咲くのか楽しみだ。わくわくして種を家に持ち帰り、家の裏の空き地の土壌を少し整えてみた。
邪魔な雑草を抜き、少し耕して肥料をまく。
途中通りかかったフィリフィオンカ夫人に畑作りかと問われ花壇を作っていると言えばあらそうなの、頑張ってねと声を掛けてもらったりもした。
そして袋の中の種をなるべく満遍なく花壇にまく。どれがどんな花が咲くのか、発芽するのか正直分からなかったから仕方がない。
仕上げに上から少し土をかぶせじょうろで水をまいた。
好きな色の割合が多いといいな、変わった花が咲いたらムーミンママに見せてあげよう。いろいろ考えたあとに、花壇の周りが寂しいことに気がついたので明日は綺麗な貝殻を拾いに海辺へ行くことにした。そうだ、ムーミンたちも誘おうかな。フローレンは綺麗なものを探すのが特別うまいのだ。
あまりにもうきうきするものだから、なんだか今日は楽しい夢が見られそうな気がした。

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