affection
※暗い話で分かりにくいです注意





大谷様へ

お久しぶりです。
1週間ほどの大阪でのお仕事はどうでしたか? 大谷さんが大阪で仕事をしているというのが想像できません。
そういえば石田さんは滋賀県に産まれて、大阪で過ごしていたことが一時期あったそうですね。石田さんは特に地元などにはこだわりがないようです。ああいう人はどこへ行っても変わらないですよね。海外へ行っても変わらないでしょう。

こちらは順調でした。
内職も長曾我部さんに頼まれた分は全て終えましたし、伊達さんとも連絡を取りました。真田さんのところはトラブルがあったようですが、トラブルが解決すればすぐに連絡をするとおっしゃっていました。皆様の力になれれば幸いですので、大谷さんもわたしに何かできることがあればどうぞおっしゃってくださいね。
大谷さんがおっしゃっている薬も毎日飲んでいます。いささか量が多いような気もしましたが、大谷さんはわたしの身を案じてくださっているのだと思うととても嬉しいです。いつもありがとうございます。
それに、ジュースも置いていってくださいましたね。起きたらテーブルにグレープフルーツジュースが置いてありました。美味しく飲ませていただきました。
薬を飲むと真っすぐ歩けなくなって、おなかが痛み、眠くなるのですが、石田さんに聞けば薬を飲めばそうなると、お前は薬に弱いんだとおっしゃられました。薬に弱いだなんてわたしはとんだ脆弱ものですね。
お部屋も散らかしませんでしたし料理も自分で作れましたので、心配なさらないでください。

少しだけお出かけしてきます。お散歩がてら真田さんのところに寄ってみようと思っています。きっと猿飛さんが美味しいお菓子をくれるでしょう。それが目当てというわけでは決してありません。本当ですよ。
帰りが遅くなることはしませんので、この手紙を読んだら大谷さんはお風呂を済ませておいてください。わたしも帰ったらすぐにお風呂に入るので、一緒にご飯を食べましょう。

帰ってきた大谷さんの姿を見るのが楽しみです。
それではまたあとで。


茉優より



(消された後があるがかろうじて見えた部分があった)
1週間のあいだ、不思議な夢を見ました。
同じ夢を見るのです。
吉継様がいなくなってしまう夢です。
わたしは地面に縫い付けられたかのように動けないのです。
声も出ないので呼び止めることも出来ません。
けれど、吉継様は一度振り返ってくださります。
それだけでわたしの心は晴れます。
なのに、吉継様はやはりいなくなってしまうのです。

自分の泣く声で目を覚まします。
そこから何をすればいいのか、どこへ行けばいいのか分からなくなります。
わたしは正夢なんて現象信じていません。
まどろむとすぐに何かあたたかい音が鳴り響くのですが、それが関係あるのでしょうか?








五月三日

お父さんは笑っていたが、あの人は笑っていなかった。
だけどお父さんが言うには、あの人がこれからお父さんになるそうだ。わけがわからなくて、泣いてしまったがお父さんは頭をなでてくれた。あの人はじっとこちらを見ていた。
あのあとはてつづき(つづきって漢字はどんなのだったっけ)、があるからとか言ってわたしはまた自分のおへやに戻った。でもこの部屋とももうバイバイだ。

五月六日

みんなとバイバイした。ゆうこちゃんは泣いてくれた。てっちゃんは顔が赤かった。みんなとバイバイした。胸が痛かった。

新しいおうちは、大きなおうちだった。奥には森があって少しこわかったけど、ほんとうにおうちが広い。お庭まである。お庭にはおもちゃがいっぱいあった。
自分のおへやはベッドがあった。それにびっくりして、机もつるつるの木でできてて、かわいい人形がたくさんあった。今日からここでねむったり、あそんだりするんだって思うとなんだかへんな感じ。

あの人の名前は大谷吉つぐというらしい。つぐ、って漢字教えてもらったけど忘れちゃった。明日また教えてもらうことにする。
大谷さんはマスクしてて、もこもこの服を着てる。笑わないからこわいんだけど、すごく優しかった。このひとが今日からわたしのパパらしい。

五月十一日

やっと覚えた! 大谷吉継。書けた!
書いたら褒めてくれた。きれいだって言ってくれた。わたしだってもう十四才になるし、学校行っていないからってそのぐらい覚えられる。そういえばゆうこちゃんはもう学校に行けてるかな。あんなところ、行かなくてもいいのに。

五月二十三日

大谷さんは自分の部屋に入られるのと触られるのがだいきらいみたい

六月四日

こわい人にあった。すごく背が高くてすぐどなる人。
石田三成さんっていうらしい。簡単な字で書けるけど、石田さん自体は全然簡単じゃない。すごくこわい。
でも抱っこしてもらった。もう十四才なのに。小さいって言われた。少しカチンときたけど大谷さんは抱っこしてくれないから、抱っこはうれしかった。

六月十日

だいぶこのおうちになれてきたと自分でもおもう。
一人でねむれないこともなくなったし、一人でおふろもはいれるようになった!大谷さんもすごいと褒めてくれた。

六月二十七日

大谷さんのお仕事を聞いてみたけど、よくわからなかった。難しそうだ。手伝いたいって思ったけどたぶんむり。

外で遊びたいと言ってみたらだめだって言われちゃった。わたしがけがするのが怖いんだって。別にいいのにっていったら怒られた。初めてあんなに怒られた。石田さんはすぐどなって怒るけど、大谷さんはしずかに怒るからこわい。どっちもこわい。
ねるときに気づいたけど、ベッドにいるぬいぐるみが増えてた。茶色のおでぶクマ。名前はぶーちゃんにする。

七月七日

暑いと熱いの違いがいまいちよくわからないけど、あつい。
溶ける。アイスになってしまう。
けど大谷さんによればこれからもっともっとあつくなるって。わたしぜったいに溶ける。

今日ちょうしょかべさんに初めて会った。ものすごく大きくて、なんだか油のにおいがした。バイクの修理がしゅみなんだって言ってた。バイクって見たことない。
ちょうしょかべさんはおうちにいる間ずっと遊んでくれた。肩車もしてくれた。高くて怖くなっちゃった。
見た目は大きいのにちょうしょかべさんはぬいぐるみ遊びがすごく上手だった。リカちゃんとぶーちゃんでお茶会したけど、絶対にちょうしょかべさんはぶーちゃん役のほうがあってたはずなのに、リカちゃん役がちょううまかった。

七月十三日

大谷さんがお仕事でいなくなっちゃうんだって。明日から。
寂しい。どうすればいいんだろう。わたし一人じゃ生きてけない。

七月十四日

お仕事って出張って言うらしい。少しだけ違うところに行ってお仕事をするだけらしい。なんだ。よかった。

石田さんとちょうしょかべさんが来てくれた。石田さんは料理が上手だったけど、ちょうしょかべさんはへたくそだった。なんでぬいぐるみ遊びあんなにうまいのに料理が下手なんだろう...。
石田さんが作ったチャーハンは今まで食べたことないぐらいおいしかった。いいお父さんになる。

七月二十日

すごくはずかしいんだけど、ちょうしょかべさんじゃなくてちょうそかべさんっていうらしい。すごくはずかしい。ずっとちょうしょかべさんだとおもってた。
漢字を教えてもらった。長曾我部。難しい。頑張って覚えよう。

大谷さんは明日帰ってくるらしい。やっとだ。嬉しい。帰ってきたら長曾我部さんの漢字を見せてあげよう。きっと褒めてくれる。
疲れてるから肩を揉んであげたいけど、きっと触らせてくれないからがまんする。

七月二十一日

すごいことが起きた!
大谷さんが抱っこしてくれた 肩も揉ませてくれた うれしい!

七月二十八日

お買い物をいっしょに行ったけど、手をつないでくれた。大谷さん手が大きかったけど、細かった。もっと食べなきゃだめだ。
お菓子を買ってくれた。ねるねるね...?ねをどのくらい書けばいいのかわかんない。
しかもべたべたしててまずかった。でも大谷さんが買ってくれたものだから全部食べた。

八月十八日

真田さんがアイスくれた。ピンクとみどりどっちがよろしいかって言われたから、真田さんはピンクって感じがするからわたしはみどりねって言ったら、それがしがピンク!?っておどろいてた。
それがしは某って書く。猿飛さんが教えてくれた。
大谷さんは真田さんのことがおきにいりらしい。たしかに真田さんはめっちゃいっしょに走り回ってくれるしお菓子も買ってくれる。それに優しい。
でも大谷さんが気に言ってる理由はそれだけじゃないとおもう。けど教えてくれなかった。

八月二十五日

きょう階段から落ちた。肩ぶつけていたかったけどそれより大谷さんが泣きそうな顔になっているほうが痛かった。胸が痛かった。ごめんなさいっておもわず言った。
その日は大谷さんと一緒に寝た。毎日でもよかった。

九月十三日

伊達さんがまたいじわるしてきた!ほっぺがやわらかいってつまんでくるの!
でもモンブランを買ってきてくれたから今回はゆるした。美味しかった。でも晩御飯に食べたお鍋に入ってた小十郎さんのネギのほうがおいしかった。

九月二十一日

これってありえない。
大谷さんがおんなのひとつれてきた。わたしいるのに。つるひめさんって言うらしいけどかわいかった。びっくりした。かわいい女の人を大谷さんがおうちにつれてきたことに。
なんだかショックだ。なんか、悲しいっていうか、わからない。

九月二十二日

つるひめさんはお仕事仲間なんだって言ってた。ふたりはかっぷるなのと聞いたらそんなことないと二人に全否定された。むしろ心外だそうだ。
つるひめさんにお名前の漢字を教えてもらった。鶴姫。むずかしい!鶴、鶴、鶴...。むずかしい...。鶴姫さんがいっしょに漢字の練習してくれた。ほんとに優しくて可愛い人だ。

十月三日

今まであった人を答えてみろと大谷さんに言われたので言った。
日記にも書いておくことにする。
石田さん。長曾我部さん。真田さん。猿飛さん。伊達さん。小十郎さん。鶴姫さん。それとコープを持ってきてくれる人。

十月十四日

外で遊びたかった。どうしても遊びたくて、部屋の窓から抜け出して庭で遊んでたら大谷さんにばれてすごく怒られた。1週間は部屋から出ちゃだめだといわれた。
なんのためにあの庭はあるのだろう。

十月十七日

自分の部屋にいるのも暇なのでずっと本を読んでた。難しい漢字がいっぱい出てきたけど、それは電子辞書でどうにかなった。それよりおもしろかった。たのしかった。今日からいっぱい本を読むことにする。

十一月十日

勉強熱心だと大谷さんに言われた。
勉強じゃなくてただの読書だけど、確かに漢字はいっぱい学べてるので勉強といってもいいのかもしれない。
大谷さんはいっぱい本を買ってくれるのでおかね大丈夫だろうかと心配になる。

十二月六日

あと一か月ほどでもう1年が終わる。
この日記を見る限り、わたしがここにやってきたのは五月六日らしい。日にちは覚えてなかったけど見た景色は覚えている。すごく驚いた。
大谷さんが引き取ってくれてからいろんな人に会えた。そう思うとなんだか感慨深い。

十二月十日

わたしは最近しっかりしていると自負してる。だって料理だって作れるようになったし。なのに大谷さんはまだまだだと言った。なにがまだまだなんだろう。
何をすればいいんだろうか。

十二月二十五日

今日はクリスマスだ。大谷さんが綴りを教えてくれた。CHRISTMAS。
大谷さんはクリスマスが嫌いなようだ。別にわたしも好きでも何でもないからいいんだけど、長曾我部さんたちがクリスマスプレゼントを持ってきてくれたのには驚いた。
何の因果かは知らないけどみんな同じ本をプレゼントしてくれたのにも驚いた。そのあとは一緒にご飯を食べた。チキンだった。

みんなが帰って、寝ようとしたときに枕元に何かが置いてあった。それは青と金の宝石箱だった。中身は手紙が入ってて「これからも」とだけ書いてあった。
それだけなのにわたしは泣いてしまった。嬉しかったんだ。

一月一日

元旦。昨日の大晦日は大変だった。伊達さんがわたしをさらって伊達さんの家でぱーりーとやらを始めたのだ。伊達さんのおうちは広いなんてもんじゃなくて、もうどこぞの城よりも大きかった。何もかもが高そうで歩くのもためらわれるほどだ。
大谷さんが伊達さんの家にきてあきれ顔で伊達さんの頭を叩いてたけど伊達さんは全然反省してなかった。そのあと大谷さんと伊達さんの家のみなさんとわたしでぱーりーした。
帰ってきたのはもう年を越す寸前。わたしは言いたいことがあった。頑張って大谷さんに言った。「これからも大谷さんと一緒にいていいですか?」って言った。
大谷さんはびっくりしてた。目がまん丸になっていたし。でも、頷いてくれた。嬉しくて思わず抱き着いたら受け止めてくれた。昨日はいい日だった。

一月五日

新年会があった。それも伊達さんの家でだ。
みんな来てた。知らない人も来てた。わたしは絶対に場違いだった。けどみんな優しいからそんなこと言わない。
ずっと大谷さんの後ろにいた。それか石田さんの後ろ。ちょっとだけ伊達さんが抱きあげてくれたけど恥ずかしくてすぐに伊達さんの首に顔をうめてしまった。
食べ物は美味しかった。バイキングというらしい。 
お年玉をもらった。知らない人からももらってしまったから、どうすればいいのかとか気持ちがごちゃごちゃになって大谷さんに泣きついてしまったけどみんなそんなにうれしいのかと勘違いしてた。大谷さんだけはわかってくれたようで、大谷さんが全部お金をもらってくれた。

二月二十六日

真田さんのお仕事を手伝った。
真田さんが某の会社に遊びに来たらどうだと言ってくれて、大谷さんにお願いしたら行ってもいいことになった。
会社というところに初めて行ったけど、机がたくさんあってその上に大谷さんがいつも使っているようなパソコンがいっぱいあった。プリントもいっぱい。人もいっぱいいた。
プリントをホチキスで止めることをしてほしいと真田さんに頼まれたので、任せて!と沢山ホチキス止めをした。真田さんのお仕事を手伝えることが嬉しかった。

三月十五日

大谷さんが薬を飲んでいるところを見た、初めて。
どこか悪いのだろうか?

四月二十八日

最近みんながわたしに仕事を頼んでくれる。
伊達さんは取引先の情報を簡単にまとめてくれと頼んでくれる。
長曾我部さんはプラグ?と赤と緑の線?を繋げてくれと頼んでくれる。
真田さんは前手伝ったやつと同じやつだ。
嬉しい。わたしにもできることがあるんだ。

五月十四日

大谷さんが薬を飲めと言ってきた。わたしはどこも悪くないのに。
けど必要なことだと言った。喧嘩になりそうだったので、薬を飲んだ。
そのあと倒れるように眠った。起きて今これを書いている。

六月四日

薬、薬、薬。何をしていても薬だ。
吐いたこともあった。何か知らない声が聞こえる。こわい くすりなんていらない

六月十七日

伊達さんの会社に遊びに行った。だがそれは名目だけだ。PCを借りて、薬について調べるため。
ここのところわたしは、頭がおかしい。ぐにゃぐにゃと景色もゆがむし、腹もねじれるほどいたいし、涙が止まらない。薬のせいなんてことはわかっていた。

メモ
薬には副作用というものがあるらしい きっとそれだ
致死量というものが気になったので調べたらとてもこわかった 一定の量を飲み過ぎると死んでしまうらしい

六月二十三日

少し考えをまとめたい。
大谷さんは何のためにわたしに薬を飲ましているのか。わたしのためだという。
だがどこがわたしのためなんだろう。薬は本来体調を整えてくれるものだ。だが整えるばかりかどんどん体調は悪化していっている。このままでは、死んでしまう。
そう、そこなんだ。大谷さんはわたしのことを殺したいのだろうか。ああ、なんてことを書いているのだろう自分は。でもだったら、なんだというの?

七月十日

何をしていても眠い。それにあまりうまく喋れなくなっている。これを書いている手だって震えていて、字ががたがただ。
この前知らない男の人を見た。こちらに来たから来ないでと叫んだ。でもその人は消えた。あとで調べて見てわかったが、幻覚というものを見るときがあるらしい。

七月十七日

少しだけこう思ってしまったことを今後悔している。死にたいと思ってしまった。
こんなに幸せなのに...ご飯だって食べれて大きな家にも住めて大好きな大谷さんともいれている。幸せだ。なのに、だめだ。死にたいと思った。

七月二十日

どうやって死ねるのか分からない

八月五日

明日から大谷さんが大阪で仕事をしてくるらしい。
チャンスだ。消える、いや死ねるチャンス。大丈夫、わたしがいなくったって大谷さんには石田さんがいる。石田さんには大谷さんがいる。大丈夫。
カーテンを千切って、公園の木で首を吊るか。
包丁を持ってどこか遠くで自分を刺すか。
歩道橋から飛び降りるか。
どれにしよう。大谷さんにわたしの死体を見られたくないから絶対にばれないところで死のう。

八月十二日

とうとうやってきた。今日大谷さんが帰ってくる。おかえりなさいの手紙も書いた。これからのことで嘘を書いてしまったけどどうせ死ぬのだからどうでもいい。
包丁にすることにした。首を吊って死ぬのは涎とかおしっことかが漏れるらしいから嫌だ。まだ痛いほうがいい。
おうちにさようならをした。涙が溢れた。なんで死ななくてはならないんだろう。でもこれを書いている今でも知らない男の人が見えるし、知らない声が聞こえるし、吐瀉物がいまにでもせり上がってきそうだし、汗が止まらない。動悸もおかしい。死ななくてはならない。
この日記は、どうしよう。別に見られてもいいけど、見たら大谷さんが嫌な気持ちになるかもしれない。見ているのなら、大谷さん。ごめんなさい。
ごめんなさい。これしか言えないです。他を言ってしまったらわたしと大谷さんの関係がめちゃくちゃになりますからね。あと、ありがとうございました。

(何かが書いてあるが涙で滲んで滅茶苦茶になっていて読めない)




・・・




地元でも有名な大きい公園にひとつの死体が発見された。メディアにも大きく取り上げられたが、理由の一つとして女児が自分で腹部を刺していたからだというのがある。自殺ととるにはあまりにも残酷すぎる。
そして、その事件に関して犯人はいないとわかっているが、一人の男が自首をした。手には宝石箱があり、その中には日記と手紙が入っていた。
それを読んで、自首した男を逮捕するべきか、そもそも逮捕できるのか悩んだ。
この男は、女児に薬を飲ませていた。症状を見る限り合法のものだろう。だが合法のものと言えど、量を間違えれば死に至る。この女児はそのラインぎりぎりの量を飲まされていたのだ。だから死ねない。だから死にたかったんだ。
男を聴取してみれば、よく言っていることは分からないが、「愛しているゆえ」ということだけはわかった。歪んだ愛だ。それを拒否できない女児も、またこの男を愛していたのだろう。
どうすればいいものか、刑事は二人の愛に挟まれながら頭を悩ませていた。






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