さん [ 14/25 ]
「小太郎くん、あー。」 「……何があー、やねん。自分で食べなさい。」 「あー。」 「はあ、……ほら。」 「んむ、もぐ。………超美味いCー!」 「そうかい。よかったなー。」 「あー。」 「なんでやねん!俺はもう知らんからな!」
口を開けて待機しているジロくんを余所に俺は口にカレーを運ぶ。うん、美味しい。カレーはやっぱり中辛が一番やろ。辛すぎず甘すぎず、うん丁度ええわ。そんな感じにカレーを堪能していたらジロくんがタックルしてきよった。あ、カレー溢れるやろ!
「な、んやねん。カレー溢れるやろ。」 「小太郎くん虐めだあああ。」 「なんの話や!人聞きの悪いこと言うなや!」
タックルかましてきよった挙げ句に虐めだ?どういう仕打ちやねん。虐めた覚えないっちゅーねん!ジロくんはぎゅうぎゅう抱き着いてきてつまらなそうに唇を尖らせた。
「…小太郎くんかまってよー。かまってー。」 「さっきまでの威勢はどこにいったんや。ほら、キチンと座り。一緒にカレー食べよ。」 「あーん、してくれる?」 「したるからほら、スプーン持って。」
やっと食べ出したジロくん。あぐあぐとカレーを頬張る姿は小さい子みたいでなんだか心があったかくなった。
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