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「ナルト達、中忍試験受けるんだって?」


最近よく来るユウナの家。
まぁ、ただユウナの手料理が食べたくてあいつらに内緒で来てるんだけど。ナルトなんかにバレたら発狂しそうなレベルで怒られそうだな、なんて思いながらユウナが料理する背中を眺めてたら聞こえたそんな声。


「あぁ、もう聞いたの。情報早いね」
「まぁね。そんなことより、大丈夫なの?」
「なにがよ?」
「だってナルト達ってまだ下忍になって3ヶ月だよ?そんなに経験だって積んでないだろうし、将来が期待できるにしてもまだ早いと思うんだけど」


まぁ、ユウナが言ってることもわかるんだけどね。イルカ先生も言ってたし。
経験もあまり積んでない、アカデミー生に毛が生えたようなひよっこを中忍試験みたいな大舞台に放つっていうのがどんなことなのかは。
だけど、俺はあいつらの可能性を信じてる。サクラの負けん気、サスケの才能、そしてナルトの意外性。その三つが合わさった時の化学反応っていうかそういうのを見てみたいな、なんて俺は思うわけで。


「たしかにあいつらはまだ経験が浅い。忍ってのがどんなもんなのかはわかってないかもね」
「うん」
「だけど、俺がこの三ヶ月くらいあいつらを間近に見てきて、あいつらの可能性に賭けてみたいなって思ったんだよね」
「可能性?」
「そ。ユウナもあいつらに何度も会ってるからわかるでしょ。あいつらが持ってるもんがどんなもんなのか」
「…まぁね」
「サクラの負けん気、サスケの才能、ナルトの意外性。この三つの化学反応みたいなものがこの試験で見られる気がするんだよね。それに、中忍試験はただ昇格するための試験ってだけじゃない。もし結果が良くなかったとしても何か得られるものがきっとあると思うんだ。だからこそ、俺はあいつらを推薦した」
「…」


この三ヶ月で気づいたことがある。
あいつらを受け持つまでは担当上忍として、忍の先輩としていろいろ教えなきゃいけないと思ってた。だけど実際にあいつらと行動を共にしてみればむしろその逆だった。俺はあいつらに何かを教えるより教えられることの方が多い。忍ってもんのあり方とか、言葉にはできないそんないろんなこと。あいつらといると、俺まで成長してる気がするから楽しいんだ。


「ま、ユウナの言いたいことはわかるよ、心配する気持ちもわかる」
「…」
「だけど、俺はあいつらを信じてる。この試験で必ず成長して帰ってくるってね。それに、あいつらはこんなところで沈むようなタマじゃないでしょ」
「…それもそうだね。私も信じてみるよ」


振り返って笑ったユウナにニコッと笑みを返す。
ここまで心配してくれる人ができてよかったな、なんて心があったかくなって、


「カカシも、立派に先生やってんね」
「まぁ、これでも師ですから」
「はは。そうだね」



こいつの笑顔を守りたいな、なんてやっぱり思った。



信じる心




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