81.伝令の依頼

夕方というには少し早い時間帯、一つの冒険者パーティーがギルドへの道を歩いていた。
依頼を終えた帰りなのだろう。
戦利品と思われる魔物素材が入った背嚢を背負っている。

「やっぱりエリックさんだな。あの速さでいて正確無比な射撃。同じ弓使いだからこそ,その凄さが分かるぜ」
「俺はダグラスさんだ。魔術師なのにあれだけの近接戦もこなせて,更にあの火力。俺もああなりたいぜ」
「剣士としてはグレンさんだな。あの圧倒的な剣の技量。ロックゴーレムをも一刀のもとに切り伏せる力」

各々が、何やら自分の想いを熱く語っているようだ。

「ユスタは?」
「・・・え,何が?」
「聞いてなったのかよ」
「憧れる冒険者の話だよ」
「そりゃミノーさんだろ」
「ミノーさん以外で」
「うーんそうだな、アドルバートさんかな」
「意外だな」
「俺も剣士だからグレンさんにも憧れるけど、アドルバートさんの戦い方は仲間を守るためのものだ。徹底的にそれだけを突き詰めている所が恰好良いと思って」
「敵を倒すためじゃなくて守るための力か。そういうのも良いな」
「だろ?」

そうこうしている間にもギルドに到着し、依頼完了の手続きを終える一行。
そのまま宿に帰ろうとしているところを呼び止められた。

「どうかしましたか?エリンさん」
「ユスタさんにギルドからの伝令の依頼を受けていただけないかと思いまして」
「伝令ですか・・・」

ユスタからしてみれば、依頼後で疲労がたまっている状態だ。
指名依頼とは言えこのような依頼は強制ではないし、断ろうかと逡巡する。

「ミノーさんに」
「受けます!」
「ありがとうございます!」

憧れの人物の名前が出るなり、態度を急変させて受諾するユスタ。
その返事を聞き、エリンは良かったと笑顔で礼を言う。

「急ぎの要件が出来たのですが、お連れ様たちが今日ギルドにいらっしゃるか不明だったので助かります」
「いえいえ、お安い御用ですよ」

断ろうかと迷っていた姿はどこへやら、調子のいいことを言っている。
数分後には届ける手紙を受け取り、仲間たちと別れて憧れの人の元へと向かうのだった。

▽▽

「止まり木亭・・・ここか」

エリンさんから手紙を預かった俺は、ミノーさんたちが宿泊している宿まで来ていた。
俺のような駆け出しでは定宿にするなんてできない上等な所だ。

建屋の構えからして、俺が拠点にしている安宿とは雲泥の差だ。
少し緊張しながら入り口から中に入ると、すぐに受付があった。

「すいません」
「如何されましたか」
「俺は冒険者のユスタと言います。ここに宿泊しているミノーさんに手紙を預かってきました。取り次いでいただけないでしょうか」

受付の従業員に要件を告げ、持ってきた手紙を見せる。
冒険者ギルドの印章の入った封筒を確認すると、宿の人も事情を察してくれたようだ。
俺に待つよ言うに告げると、階段を上がっていった。
ミノーさんに伝えに行ってくれたようだ。

受付前で待っていると、従業員はすぐに戻ってきた。

「ミノー様にお伝えしましたところ、手紙をもって部屋まで来てほしいとのことです。ご案内いたしましょうか?」
「いえ、部屋番号を教えていただければ大丈夫です」
「ミノー様のお部屋は301号室です」
「ありがとうございます」

宿の人の許可を得ると、俺はミノーさんの部屋に向かって歩き出した。
階段を3階着くと、廊下の窓に映る自分を見て気休め程度に髪を整える。
そして、目当ての部屋の前に行き、一度深呼吸をする。

「よし」

静かに気合を入れると、俺は目の前の扉にノックをした。
しまった、ちょっと力が入りすぎてしまった。
煩くなかっただろうか。

「はーい」

するとガチャリと音を立て、部屋の中からミノーさんが顔を出した。

「おう、ユスタだったのか。ギルドからの手紙を持ってきてくれたって?」
「はい、これです」

俺は頭を下げながら、依頼された手紙を両手で差し出す。

「ありがとう、ちょっと待っててくれな」
「はい」

ミノーさんが封筒を開け、手紙を読むのを待つ。
内容によっては、返事を持ってギルドに帰る必要があるかもしれないからだ。

「ふぅん」
「お返事が必要でしたら俺が持ってギルドに帰りますが」
「いや、返事は必要ないみたいだ。詳細は言えないけど、明日朝一でギルドに来いってさ」
「そうですか」

ミノーさんは読み終わった手紙を封筒に仕舞った。

「ユスタ、この後予定はあるか?」
「いえ、特にありません。宿に戻って休もうかと思っていたところです」
「なら部屋に寄って行け」
「良いんですか?」

依頼後で疲れていたから、座って休めるのは正直助かる。
ここはお言葉に甘えよう。

「ああ、ただ部屋に入っても絶対に声を出すなよ」
「・・・?、はい」

指示の意味が分からなかったが、取り合えず了承した。
ミノーさんが先立つようにして入室した。

室内を見回して、驚きのあまり叫びそうになった。
入り口近くの寝台にアドルバートさんが全裸で横たわっていたからだ。

目隠しをしているのでこちらに気付いた様子はない。
頭の下に敷いている枕にしがみつく様にして、大股開きになっている。
しかも、足の間から覗く尻の穴には何やら棒状のものが挿入されているのが分かった。
それは振動しているようで、低い音を響かせている。
そのせいなのか、アドルバートさんは時折全身をビクンビクンと跳ねさせている。
鍛え上げられた体は筋肉の見事が凹凸が彫られており、全身に玉になった汗を浮かべている。
立派な大きさの雄の象徴は完全に立ち上がっており、先端からは涎を垂らしているのが分かった。

俺は訳が分からず思わずミノーさんに視線を投げた。
ミノーさんは俺にそのまま黙っているように仕草で示しつつ、アドルバートさんに近づいて行った。

「待たせたなアディ。続きしようぜ」
「んっ・・ミノー・・あっ、あぁんっ!・・・」

ミノーさんはアドルバートさんの隣に膝をつくと、
アドルバートさんの乳首を舐めながら尻に入った棒を動かし始めた。


[ 81/107 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -