売り専が本当の快楽を教えられる話

俺は男相手に体を売っている。
所謂売り専と言う奴だ。
始めた理由は勿論金のため。
学校に通いながら、少ない拘束時間で大金が稼げるからだ。

自分で言うのもなんだが、顔はモデルでもやれば良いのにと言われるくらいに整っている。
実際、何度か街中でスカウトもされた。
軽い気持ちで始める仕事じゃないと思ったから断ったが。
鍛えているからしっかり筋肉もついていて、細マッチョとよく言われる。
容姿に恵まれたために、生まれてこの方女には不自由しなかったが、男相手にも有効だったらしい。
店の中でもかなり指名数が多い方で、稼がせてもらっている。
俺自身は異性愛者だが、意外と天職だったのかもしれない。

まあ、学生をやっている間だけのバイトのつもりだ。
なにせ、金のためとはいえオッサンにケツを掘られるのを我慢しなくてはいけないのだ。
金を払わなければ相手を見つけられないようなキモいオッサンに。
仕事だから媚を売ってはいるが、内心では馬鹿にしている。

▽▽

「アツシ君、指名が入ったよ。1晩貸切コースだって」

出勤すると店のスタッフから告げられた。

「誰?」

俺をいつも指名する常連の顔が頭の中に複数浮かんだ。

「アツシ君にとっては新規の客だよ。この人は当たりのお客さんだよ。やったねアツシ君」
「当たりの客?」
「不規則に指名を変えるお客さんなんだけど、すっごい上手いって評判だよ」
「なんだ、そんなことか」

上手い何てこと俺には関係ない。
ケツで気持ちいいと感じたことなんて今までないからな。
俺にはケツの才能がないのだろう

▽▽

店の一室でスタッフ曰く当たりの客に会ってみた。

「アツシ君だね、こんにちは。ジンです」

これが当たり?
正直言ってブサイクなオッサンと言う印象しかない。
清潔感のある身嗜みをしているだけマシかもしれないけど。

プレイについての注文を聞いてみると、
演技でもいいから喘ぎ声をいっぱい出してほしいとか、
ちょっと嫌がる演技をしてほしいとか、ちょっと変態っぽい。

シャワーを浴びていざ本番なのだが、今なぜか俺は下着一枚でベッドにうつ伏せになりマッサージを受けている。
普通逆だろ。
なんで俺がマッサージ受けてるんだ。

「僕は自分が気持ちよくなるより、相手が気持ちよくなっているのをみるのが好きなんだ」

面倒臭い客だな。
俺ケツで感じないから、演技しないといけないじゃないか。

「スタッフ君に聞いたよ、アツシ君まだお尻あまり感じないんでしょ」

あいつ、なんで教えちゃうんだよ。

「そんなことないですよ」
「いいよ、気を遣わなくて。言ったでしょ、演技でもいいからって」
「はい」
「できるだけ気持ちよくなるようにはするけどね。そのためのマッサージだよ」

俺は何もいえなくなり、大人しくマッサージを受けることにした。
ああ、でも気持ちいいな。
もっといやらしいマッサージされるかと思ったてたけど、結構本格的だ。
肩のこりから解され、腰の張り、脚の疲労まで、指圧を交えて揉み解されていく。
思わず「はぁ」とため息が出てしまう。
まるで体をドロドロに溶かされていくようだ。
ジンさんの方がお客さんなのにこんなにしてもらっていいのかな。

「じゃあ、そろそろ仰向けになろうか」
「はい・・・・」

離れていく手を名残惜しく思いながら、俺はゆっくりと仰向けになった。

「気持ち良かったかい?」
「はい、とっても」
「これからはエッチなこともしていくよ」

俺が頷くのを確認すると、ジンさんは自分の手にローションを塗した。

「ん・・・ふぅ・・・・は・・・・」

ジンさんは俺の胸板をゆっくりと中心に寄せる様に揉んだ。
俺は胸では感じない筈だが、先程のマッサージの延長の様な心地良さがある。
軽く圧迫されながら、上から下に脇腹を手が滑る。
擽ったさともまた違うゾワゾワした感覚が走り、ブルリと体を震わせてしまった。
ジンさんが俺のそんな反応を見て小さく笑う。
その後もしつこいくらいに上半身を揉まれ、撫で回された。

「ん・・・ぁ・・はぁ・・・あっ・・・」

その結果、感じなかったはずの俺の胸は作り替えられてしまった。
揉まれるだけで息が荒くなり、乳首をいじられたら声が出てしまうほど感じる様になった。

「・・んあっ・・・」

また乳首を摘まれた。
それだけでゾクゾクとした快感が走り、触られていない股間が疼く。
そこはもうビンビンに立ち上がり、下着の布地を押し上げている。

「苦しそうだね、脱がせるよ」
「はい、もう、出したいです」
「まだダメだよ、我慢して」

俺はジンさんに下着を脱がされ、全裸で大の字になった。
そして大きく開いた足の間、ケツの穴に触れられる。
ローションの滑りを借りて、穴の周囲をクリクリと撫でられる。

「力を抜いて」
「・・んやぁ・・・」

穴の表面と一緒にチンコにも触れられた。
待ち望んでいた刺激に思わず情けない声を出してしまう。

「アッ・・・」

チンコに意識がいった隙に、穴に指が入り込んできた。

「アツシ君の気持ちいいところ、どこかな」
「ん・・・ふぅ・・・はっ・・・・ぁ・・」

ちょっと気持ちいい。
事前のマッサージのせいで感じやすくされてるのと、ジンさんの力加減が絶妙なせいかな。

1時間くらいケツを弄られただろうか。
俺のケツにはもう3本の指が出入りしている。

「はぁっ・・あっ・・あんっ、あんっ・・んアッ・・はぁんっ・・・あんっ・・」

ジンさんがケツの中のある場所を圧迫するたびに、甘い痺れが走る。
おかしい。
俺はケツなんて感じないはずなのに。
そこを弄られるたびに女みたいな声を抑えられない。

「あんっ・・あんっ・・・やぁっ・・あっ・・んぁあっ・・・あぁぁぁあぁんっ」

クチュクチュとローションと漏れ出た腸液が水音を立てる。
脚が勝手にシーツを蹴る。
触られていないチンコが疼く。
何度も寸止めされて、結局一度も出させてもらっていないのだ。

「ああっん・・も、出そう・・」
「良いよ、出してごらん」
「ん・・はっ、あっ・・・ぁぁぁああぁあっ」
「手マンだけでトコロテンしちゃったね」
「はい・・こんなの・・はぁ・・・初めてです・・・」
「ははっ」

この反応は信じてないな。
俺は初めてのケツの快感に息も絶え絶えだと言うのに。

「じゃあ、挿れるよ」
「はい・・・ぁっ・・あ・・あぁぁぁぁぁぁああんっっ!」

ジンさんのチンコが入ってきた。
俺の気持ちのいいところを押しつぶしながら、奥まで入ってくる。
あまりの気持ち良さに女の様なよがり声をあげてしまった。

「あんっ、あんっ、あっ、あんっ、はぁんっ、あっ、あっ、あぁあぁんっ」

ジンさんがピストンを開始した。
チンコが出入りするたびに疼く様な快感が下腹部に発生する。
こんなの初めてだ。

どれだけそうしていただろうか。
実際はそんなに経っていない気もするけど、快楽に翻弄されている俺には長い時間だった。

「ああっんっ、あんっ、あんっ、あっ、まって、あぁあんっ、ちょ、まってぇ」
「どうしたの?」
「あぁんっ、なんか、来そう、あんっ、やんっ、あっ、あぁぁぁん」
「ドライオーガズムかな、その感覚に集中して」

待ってって言ったのにジンさんは動きを止めてくれない。
規則的な動きで俺の気持ちいいところを刺激してくる。

「あぁぁあん・・だめだってぇ、あっ、だめ、くる、きちゃう、ぁ、あ、ッッぁぁぁぁあああぁぁぁあああああああッッ!!!」

下腹部の奥から快楽が爆発し、背骨に電流が走った。
腰が勝手に震えて、喉から甲高い絶叫が迸る。
閃光でも見たかの様に、視界が真っ白に染まった。
なんだこれ。
こんなの知らない。
気持ちいい。

「はぁ・・・はっ・・・・はあ・・・・はっ・・あっ、あぁんっ」

乱れた息を整えていると、ジンさんが動きを再開してしまった。

「あぁん!・・いやぁ・・まってぇ、あぁぁああん!」

先程の絶頂の余韻も冷めないうちに再開され、また次のドライオーガズムに上り詰めていってしまう。

「やぁん!、まってって、あん!、ほんとに・・あっ!・・また、いっちゃうぅ、、ぁ!、あっ!、あああぁあぁぁあぁあぁぁああぁあッッ!!!」

また頭の中に閃光が走る。
目の前がチカチカする。
俺がイッていると言うのにジンさんはピストンを止めてくれない。
パンパンと肌を打つ音が部屋に響く。

「やめて!、あぁぁあんっ!イッてる!、イッてるからぁ!、あんっ!、もうやめてぇぇえぇぇぇえ!」

イッて敏感になっている時に突かれる為に、次々と快楽を叩きつけられてしまう。
やめてくれ、頭がおかしくなってしまう。

「ははっ、演技が上手いね」
「ちがっ、えんぎじゃな、んぁあっ!、あぁんっ!、やめっ!まってっ!」

本当にやめてほしいのに。
ジンさんは嫌がる演技だと受け取った様だ。
俺は力尽くで止めるため、ジンさんを押し退けようと腕を伸ばした。

「力が全然入ってないよ」
「あっ!、いやあああああぁぁぁあぁぁぁああ」

伸ばした手を取られて、引っ張りながら突き込まれてしまった。
そのせいで、より奥まで侵入されることになってしまう。

「も、やめでぇ、イク、いく、いっぐぅ、ぁぁああぁぁぁぁあぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ッッ!!!」

さっきから何度もイカされている。
その度に頭の中でハレーションが起きて真っ白になってしまう。

「あぁぁぁぁぁぁぁああぁぁあああぁッッ!!!・・・・・・ッッぁぁぁぁぁあああぁぁあぁぁああぁぁぁああッッ!!!・・・・・・ッッぁぁぁあぁああぁぁぁあぁああ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!!」

突かれてはイキ、突かれてはイキを繰り返し、かぶりを振って泣き叫ぶ。
もう何も考えらえない。

「あ゛・・あ゛あ゛・・はへっ・・・・あ゛・・・あ゛・・・・あへぇ・・」

自分が白目を剥いているのがわかる。
もう視界は真っ白で、ケツからの刺激以外何もわからない。

「・・・・ッ・・・・っ・・・・・・・・・・・」

最後には言葉を発することもできなくなった。

この日、俺は初めての快楽で失神すると言う経験をした。


▽▽


「・・・・・あ?・・・」

店の控え室で目を覚ました。

「あ、アツシ君。起きた?」

同じ控室にいたスタッフに声をかけられた。

「俺、何で寝てたんだっけ」
「アツシ君、ジンさんの相手してる時に失神しちゃったんだよ。ジンさん謝ってたよ。やりすぎてごめんって」
「ああ、そういえばそうでしたね。お世話をかけて申し訳ありません」
「いいよ、いいよ。ジンさんに指名された子にはよくあることだから」
「良くあるんですか・・・」
ジンさんって何者なんだ。
「ジンさんまた指名するって言ってたよ。あの人気まぐれにいつも違う子指名するから、次がいつになるのか分からないけど」
「そうですか」
ジンさんにまた抱かれるかもしれないと思うと、ケツがキュンと疼くのを感じた。


▽▽

次の日。

「アツシ君、指名だよ。ヒロキさん」
「ヒロキさんかぁ」

よく自分を指名してくる常連さんを思い浮かべる。
正直言って、太ったキモいオッサン。
ジンさんと違って清潔感すらない。
まあ、指名貰えるのはありがたいんだけど。



「アツシ君、よろしくねぇ」
「宜しくお願いします、ヒロキさん。いつも指名ありがとうございます」

プレイに入る。

「ん・・・ふぅ・・ぁ・・・あんぅ・・・あっ」

ヒロキさんがキスをしながら乳首をいじってきた。
昨日まで感じたことなくて演技で誤魔化していたけど、今日は本気で感じて喘いでしまう。

「アツシ君、今日はいつもより色っぽいね」

ケツに挿入された後も。

「あんっ!、あんっ!ぁぁぁあああんっ!だめぇ!、ぁんっ!・・・うぁんっ!」
「かわいいよ、アツシ君」
「あっ!、あんっ!、あっ、いく、いっちゃうぅ!、ぁ、あぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああッッ!!!」

ジンさんには敵わないけど、気持ちよくてケツでイッてしまった。
前に指名された時はイク演技で誤魔化していた。
騙されてバカだな、なんて思っていたのに。
今日は本当にイかされてしまった。
こんなキモいオッサンにイかされるなんて。
俺の体はどうなってしまったんだ。

▽▽

結局俺は学生を辞めてからも売り専をやめられないでいる。
ジンさんに体を作り替えられた後、ケツへの刺激なしでは生きていけなくなってしまったからだ。
ジンさんはあれからも不定期に俺を指名してくれる。
今はそれが楽しみで仕方がない。
あの人のセックスはまるで麻薬だ。

金のために始めた売り専がやめられなくなると思わなかった。
本当に天職だったようだ。


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