48.憧れの人が掘られるところを目撃した1(第三者視点、羞恥)

本日の射撃の訓練。
長い距離を空けて相対するは、元ベテラン冒険者であるグレン。

「準備はいいか?」

審判として着いているミノーが両者に確認する。

「このコインが地面に落ちた瞬間を開始とする」

ミノーがコインを宙に放った。
小さな金属音と共にコインが落ち、俺とグレンが同時に動き出す。

グレンは一直線に凄い速度で俺に向かってくる。
俺は迎え撃つように矢を放った。

狙いは正確だった。
しかし、着弾までの僅かな時間にグレンは一歩横へとずれて避けてしまう。
その動きは最小限のもので、矢の軌道が完璧に見切られていることを示している。

「くっ」

間を空けずに次々矢を放つが、すべて同様に避けられる。
もう俺とグレンの距離は開始時の1割もない。

こうなったら至近距離の一射にかけるか。
近付けば、発射から着弾までに避ける間もなくなるはず。

俺はよく引き付けてから最後の一射を放った。
その矢は避ける間もなくグレンにあたるはずだった。
しかし

「はあっ!」
「何っ」

グレンは掛け声とともに振り払った手刀で、矢を弾き落としてしまった。
俺は驚愕する。
そしてグレンは残り数歩の距離を詰めて、俺の肩に手を置く

「俺の勝ちだ・・・」
「完敗だ」

圧倒的な強さを見せつけられた。
この男に勝てるビジョンが浮かばない。

その後、俺とグレンで反省会を行った。

「随分と差を見せつけられたな。どう改善すればいいと思う?」
「そうだな」

俺の問いにグレンは少しの間逡巡する。

「魔術はどれくらい使える?」
「基本はミノーに教わっているから初級魔術くらいなら」
「なら身体強化を使ってもっと強い弓を引けるようになった方がいいな。弾速と攻撃力をあげられれば避けたり、弾き落としたりすることも難しくなるだろう」
「身体強化か」
「あと矢に魔術を付与できるようになれば攻撃力と攻撃範囲が強化できる。身体強化と魔術付与は俺が教えよう」
「頼む」

その日は魔術の訓練に変わった。
グレンの指導は的確で、厳しくも優しく教えてくれた。


▽▽


「グレンって格好いいよな」

今は夕食前の自由時間。
居間の談話スペースでアドルバートと将棋をしている。
キッチンでは夕食当番のミノーとエド君が料理をしていた。

「急にどうした」

俺の唐突な発言にアドルバートが質問を返してきた。

「今日俺の弓の訓練に来てくれたんだけどよ、レベルが違いすぎて手も足も出なかったよ」
「ああ、グレンは俺たちの中でも1番強いからな。ランクはBだが、A昇格直前だったらしい」
「Aランクなんて国に数組しかいない英雄級じゃないか。それほどの強さなんて憧れるなぁ」
「その気持ちはわかるが、王手だ」
「待った!」
「待ったは無しだ」

こんな会話をミノーに聞かれる所でしていたのが悪かったのだろう。


▽▽


その日の夜、いつものようにミノーに抱かれて眠ったのだが、途中で目が覚めてしまった。
水が飲みたくなり、居間に行こうとして扉を開けるとそれは聞こえてきた。

パチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュン
「あんっ、あぁんっ、あっ、あっ、そこぉ、あっ、もっとついてぇ、あああんっ」

粘着質な水音と、裏返った男の喘ぎ声が聞こえてきた。
思わず扉の隙間から覗くと、そこにはミノーに抱かれるグレンの姿があった。

ダイニングテーブルに俯せる様に上半身を預け、立ったまま後ろから抱かれるグレンが真横から見える
その背後には、グレンの腰を掴んで規則的なリズムでスラストを続けるミノーがいる。

グレンのほうが身長が高いため、高さを合わせるために足を開き、ガニ股になって腰を落としている。

「可愛いよグレン、気持ちいいか?」
「あんっ、あんっ、あぁああんっ、良い、いいっ、ミノー、んはぁあん!」

普段は低音の男らしい声をしているのに、ミノーが腰を突き入れる度に高い声で鳴いている。
その表情は悩まし気に眉根を寄せ、見るものを欲情させる魅力がある。

今日、圧倒的な強さを示したときの姿を思い出す。
あのグレンが夜はこんな風になるなんて、と驚きを隠せない。
まるで女のように喘ぐグレンを見ると、男に興味がなかったはずの俺でも心臓が高鳴るのを感じる。

「グレンのメススイッチいじめてやるな」
「え?・・・ぁぁぁああああんっ!そこだめぇ!」

ミノーが大きなスラストから、小刻みに中を擦り上げるようにと動きへと変えた。
グレンの背が反り返る。

「なんでだよ、気持ちいいだろ?」
「ああん、気持ちいい!、きもちいいからダメなのぉ、あああああっ!」
「気持ちいいならいいじゃないか」
「あああぁぁ、ああんっ、あたま、まっしろになるからぁっ、あ、あ、んぅぁぁぁああっ!」

うっすらと涙の浮かぶグレンの瞳に釘付けになる。

ふとミノーと目が合った気がした。
気のせいだろうかと逡巡していると、手招きをされた。
どうやら気のせいではないようだ。

この時俺はどうかしていたのだろう。
ミノーに誘われるまま、扉を開けて居間に入って行ってしまった。
そのまま、二人まであと数歩というところまで近付く。

「あぁぁん、ひぃん、あああぁあああっ!、んんぅぅううぅう・・・」

近付く間にもミノーに抱かれるグレンは、俺に気付くことなく喘ぎ続けていた。

近くで見るグレンの体は逞しくも美しかった。
全身を覆う筋肉は無駄なく引き締まり、玉のような汗が浮かびキラキラと輝いて見えた。
完成された肉体というのは、それだけで芸術品のような感動を人に与えるのだと知った。

ゴクリと唾をのむ俺を見てミノーがにやりと笑い腰を止めた。

「ミノー?・・・っ!」

動きを止めたミノーを振り返ろうとして視界に入ったのだろう。
グレンが俺の存在に気が付いた。

「うわぁっ!エリック、なんでここにっ、ああんっ!」

グレンが慌てている最中にミノーが律動を再開した。

「あぁんっ!、だめぇ!、見られてるっ、やんっ!、ミノー!、止まれっ!、んやぁっ!」
「良いじゃん、見せてやれよ」
「ダメェっ!、あんっ!、あんっ!、ああんっ!、エリック、ああっ!、みないでくれっ、うあんっ!」
「ほーら、こうするともっとよく見える」

ミノーがグレンの片足を持ち上げて肩に掛ける。
それにより結合部もグレンの性器も丸見えになった。

「ああっ!、いやぁっ!、あんっ!、やめてっ!、みないでぇっ!あああああっ!」

グレンはイヤイヤと首を振って恥ずかしがる。
その顔は真っ赤だ。

「どうだ、教え子の前で抱かれるのは」
「おねが、あんっ!、やめて、あぁああんっ!、はずかし、あぁぁあああんっ!、はずかしい、からぁ!」
「エリックはグレンに憧れてるんだってよ。夜の可愛い姿も見せてやれよ」

ミノーの動きがまたあの小刻みな動きに切り替わった。
きっと前立腺を集中的に刺激されているのだろう。

「いやああああああっ!いっちゃう、いっちゃうっ!やめてぇぇぇええええっ!」
「おう、イけ、教え子の前でケツでイけ」
「イクイク・・・ッッぁっぁああああぁあああああああああッッ!!!」

グレンの腰が痙攣し、数秒白目を剥いた
白目を剥くなんて間抜けな顔のはずなのに酷く扇情的に映った。
あの憧れのグレンが尻で絶頂する姿に興奮してしまっている。
ミノー以外の男に興味はないはずだったのに・・・

「さてグレン。今日は何回イこうか」
「待て、ミノー!あああ・・ぁぁぁああああああああっっ!!、またいく、まって!、いっぐぅぅううううっ!!」
「これで2回目。今日は控えめに5回くらいまでにしておこうか」
「わかった、わかったから、やすませ、ッッあああああぁぁあぁあっっ!!!、だめぇぇぇえええええ!」
「3回目」
「ぁぁぁぁあああああぁぁあああッッ!!!・・・・・・ッッあああああぁぁあぁああぁあああッ!!!」
「4回目、・・・・5回目」
「・・・・・・はっ・・・はっ・・・・・はぁ・・・・・・・・・・はぁ」
「おつかれ、今日はここまでにしておこうか」
「え?」
「観客もいるしな」
「は?・・・・あっ!」

今まで余裕がなかったから頭から抜けていたのだろう。
俺の存在を思い出したグレンがまた顔を赤く染めた。

ミノーは足腰立たないグレンを抱き上げ談話スペースのソファへと座らせ、毛布を羽織らせた。

「さて」

ミノーが俺に近づいてくる。
凄く嫌な予感がする。

「先生が痴態を披露したんだから次は教え子の番だよな」

俺の肩にポンと手を置く。
予感は的中した。



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