28.四人目の犠牲者2-1 (子持ち労働者編ー近親相姦・ショタ攻)

豪華な洋室の一角。
飾りが少なく機能的でありながらも、どこか高級感を感じさせる机を年齢がバラバラな3人で囲んでいる。

「〜で、貨幣は下から鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨があり、それぞれ10枚で一つ上の貨幣と等価だ。…」
「冒険者ってのは、簡単に言えば何でも屋だ。短期の店員、農業の収穫、薬草の採取から、街道での護衛、魔物の討伐までなんでも依頼可能だ。当然危険で難しい仕事は依頼料が跳ね上がる。戦闘が強い高位の冒険者は、下手したら貴族並みの稼ぎって噂だ。…」

ミノーは俺が説明した内容を整理して、要点を紙束に書いていく。
記されていく文字は、俺が最初にコイツに教えた物だ。
当初は慣れぬ為か辿々しかった文字も、最早淀み無く紙面に連ねられて行く。

今は日課として、ミノーとエドに勉強を教えている。
机に向かう俺の左にエドが座り算術の勉強を、右にミノーが座りこの国の常識的なことを教えている。

このミノーと言う男、一度もこのダンジョンから出たことが無いらしく、外の社会の事を何も知らなかった。
その一方で、算術については俺よりも出来るのだから、ひどくバランスが悪いと思った物だ。

幸いなことに俺は商人の家に生まれた為、一般市民よりも高等な教育を受けている。
教える者として不足はないはずだ。
ミノーにその事を告げた際に、「商人?その顔で!?」と素で驚かれ、思わず殴ったが、俺は悪くない筈だ。

朝から昼前まで教えてやったら、3人で昼食を準備する。
最初はミノーが謎のスキルで完成品の料理を作り、それを食べていた。
しかし今は材料と調味料だけ出して、3人で完成品の料理を再現する為に調理手順を模索している。
どうやら完成品を出せるくせに作り方は知らないらしく、誰でも作れるように手順を確立したいらしい。
ミノーの不確かな記憶から細部を補完するのに苦労させられているが、これまでに再現した”唐揚げ”と”ハンバーグ”はエドも大喜びで食べていたから許してやろうと思う。
ちなみに、カレーは挫折した。ミノーが材料となるらしいスパイスが出せなかったからだ。

昼食を食べ休憩を挟んだ午後、ミノーと講師を交代する。

俺とエドでミノーを挟み、”科学”を教えてもらっている。
前回教えてもらった、重力だの、運動エネルギーだのはなんと無くわかったが、今説明されている原子とかよく分からないんだが。

「ミノー、物体が全て小さい粒子の集合体ってのがよく分からない。いや、意味わわかるが実感が湧かないと言うか。この粒はどうしてバラバラにならないんだ?」

「固体の原子がくっついているのは、たしか分子間力って言ってお互いに引き合う力が働いているんだ。この力は簡単に言うと磁力でーーー」

ミノーはわかりやすいように空間に映像を映しながら説明し始めた。
その力俺も欲しい。

俺が投影されている映像に集中していると、フと視線を感じて左を見た。

「どこを見ているっ・・・」
「いやぁ、セクシーな格好だから、つい」

ミノーの視線が俺の剥き出しの股間に注がれていた。
そう、剥き出しだ。
ここに来たときに着用していた作業着を俺はずっと着続けている。
ミノーに切り込みを入れられていた服だ。
胸元は真一文字に切り裂かれ、胸板が露出している。
ズボンは股の部分が前から後ろまで縦に切り込みが入れられ、男性器も尻の割れ目も剥き出しになっている。
剥き出しとは言っても布地の面積は減っていない為、普通に立っているときには左右の布が合わさって中身は見えない。
ただし、座っていると、自然と脚が開いて大事な部分がチラリと覗いてしまうのだ。

「お前がさせているんだろうが!」
「痛っ!」

誰が好んでこんな、出したらいけない部分だけ露出するような変態じみた服を着るんだ。
代わりの服を要求してもくれないし、繕うのも禁止しているのはお前だろうが。
俺は衝動に任せ目の前の頭に拳を振り下ろした。

「いててて、俺たち3人しか居ないんだし良いじゃん。エドくんも喜んでいるし。ねぇ?」
「僕もパパのその服好きだよ」
「エド・・・」

泣いてもいいだろうか。
ミノーの向こう側からエドまでこの服に賛同し始めた。
大事な大事な一人息子が、この変態のせいで感性がおかしくなっている気がする。
こいつは絶対教育に悪い。

今もチラチラと俺の下半身に目線をやるド変態を見て、
諦めの感情とともに襲う疲労に思わずため息をつく。

ただ、俺が教えている間は、チラリとも見てこなかった事を思い出す。
こいつはいつもそうだ。
息子の教育に悪いド変態だが、自分が教えてもらっている時は悪巫山戯をしない。
そう言う所は評価しているのだが、本人には絶対に伝えつつもりはない。

エドとミノーは笑いながら勉強を続けている。
まあ、毎日している勉強だ。楽しくできるなら多少巫山戯ながらでもいいのかもしれない。
時間はたっぷりあるのだから。
以前ミノーとした会話を思い出す。

そもそも、こんな死後に閉じ込めれている部屋で勉強をしているのは、外に出る時に備えているからだ。
そう、いつかは出られるんだ。
一度死んだ身として出してもらえるとは思っていなかったが、3つの条件の元、出してもらえることになっている。

1、このダンジョンにおける一切を他言無用。
2、出た後は基本的にミノーと行動し、常に監視を受ける。
3、時期については、直接の知り合いが全員死んでいる頃

3番については知り合いにあったら、死んでいる筈の人間が生きていることがバレ、ダンジョンの秘密に気づかれる可能性があるかららしい。
具体的な時期について聞いてみたら「100年後くらい」と、なんとも適当な感じに言われた。
いや、俺たちも死んでるだろと思ったが、大丈夫らしい。
なんとも信じ難いことだが、このダンジョン内では俺たちは歳を取らないらしい。
だから、知り合いが死んだ頃に出ていけると。

気の遠くなるような先の話だが、外に出られると言うことは俺たちの希望になった。
そして、出るからには以前よりも豊かな暮らしがしたい。
エドに楽をさせてやりたい。
今度こそエドを守ってやりたい。
その為、勉強を含め自分を高めるための日課を継続しているのだ。



夕方からは魔術の練習をする。
強力な魔術を使えたら、戦闘能力は飛躍的に上昇する。
エドを守るために、基本からミノーに教えてもらっている。

俺たちの国では魔術を使えるものは少なくない。
しかし、魔力の容量は生まれ付きの差が大きく、戦闘に実用的な規模の魔術を使えるものは希少だ。
一般人は精々、1日に1回薪に火をつけるとか、コップに水を満たす程度ができるくらいだ。
俺とエドもその程度の魔力量しか持っていない。

しかし、魔力は使い切るたびに少しずつではあるが、容量を増やすことができる。
魔力を使い切ると倦怠感が酷いため、日々の生活がある一般人はやらないが、
俺たちは(衣)食住をミノーに頼れる為問題ない。
100年もあれば、魔術師レベルに魔力を増やせるだろう。

今は魔力の制御を練習しながら、属性魔術で魔力の消費をしている。
この属性魔術だが、火、水、風、地、光、闇の種類があり、人にはそれぞれ適正属性がある。
ほとんどの人は適性が1属性にのみだが、2属性に適性がある人が20%程度いる。これが3属性以上になると、3属性が0.2%、4属性が0.002%と希少度がぐんと上がる。

俺は光属性、エドは闇属性に適性がある。
今は数分間の照明程度しかできないが、そのうちエドが傷を負っても治せるように、癒しの魔術でも使えるようになりたいものだ。

▽▽

夜、入浴後に俺は寝室で二人に挟まれて立っている。
すぐ横にある寝台は丁寧にベッドメイキングされており、これからあの上で行う事を想像して、顔に熱が集中する。

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