96.洞窟の奥で(グレンーモブレ)

麻痺して動けないグレンとエリックの二人は、盗賊たちに担がれ洞窟の奥に連れて来られた。
そこは広い空間になっており、十数人の盗賊たちが屯していてもなお余裕があった。
空間の中には敷布が引かれていたり、焚火の跡が有ったりと、盗賊たちがこの場で生活している痕跡が見られた。

「ぐっ」
「うわっ」

待っていた盗賊の一人が空間の中心に敷布を一枚移すと、グレンとエリックはその上に乱雑に放り投げられた。
背中から落ちた痛みに顔を顰めながらも、殺されずにいる状況にグレンは若干の安堵を感じていた。
殺すつもりならばあの場で殺されていた筈であり、自分たちをすぐに殺すつもりはないのだと。
待っていれば必ず助けが来るという確信があった。
出来るだけ時間を稼ぐ必要がある。

「ここはゴブリンの巣だったはずだが」

グレンは自分を覗き込んでいる盗賊たちに視線を巡らせた。
そして、ここにいる殆どの男は大した実力はないことに気付く。
冒険者に当てはめるならE級が精々であると。

「ゴブリンなんて全部俺達が片づけちまったよ」
「意外と快適な住処だったから俺達が有効利用してやっているのさ」
「洞窟なのに風通しが良くてジメッとしてないしな」

口の軽い盗賊たちがグレンの話に乗ってくる。
そのまま時間を稼ごうとするが、奥にいた男に遮られた。

「いつまで無駄話をしている」
「頭」
「魔封じの枷はちゃんと付けたのか?」
「へい、二人ともバッチリです」

一人遠巻きにしていたその男はグレン達に近づくと、ニヤリと笑う。
人相の悪い盗賊たちの中に置いて、男だけが際立った容姿をしていた。
浅黒い肌に鋭い目付きをした美丈夫で、本来なら難点になるはずの乱雑に切られた髪や無精髭も、男の野性的な魅力を引き立てる要素となっていた。

「お前が頭目か。俺達をどうするつもりだ」
「どうする、か。さっさと奴隷にでもして鉱山に売っちまおうかと思っていたが、こうしてみると迷っちまうな」
「奴隷だと?犯罪奴隷以外は本人の同意無い奴隷化はできない筈だ」
「そんなん幾らでもやりようはある。悪い奴はどこの世界にもいるもんだ」
「違法奴隷か」
「俺達にも伝手があってな」

話しながらも、グレンは頭目の実力が盗賊達の中に置いて抜きん出ていることに気付いていた。
冒険者としてでも十分稼げるだろうに、何故盗賊などやっているのか不思議な程に。

「だが報告通りツラが良いからな、もっと高く売る方法もありそうだ」
「報告通り?」
「ああ、お前ら村に寄っただろ。あの村は近々襲う予定でな、見張らせてたんだよ。そんで、ゴブリンの巣の駆除に来たらしいじゃねえか。こりゃ好都合ってことで待ち構えてたんだよ」
「俺達は罠に自分から飛び込んでいたってことか」
「そういうこった。おい!」
「へい!」

頭目は話は終わりだとばかりに部下たちに合図をした。
それを受けた盗賊達はグレンとエリックの服を脱がせ始めた。

「おい!何をする!」
「やめろ!」

革製に鎧を剥ぎ取られ、上衣を脱がされる。
そこで、服の中に首からかけていた冒険者証を奪われた。

「ふぅん。爽やか系の兄ちゃんがエリックで、色気のある兄ちゃんがグレンか」
「D級か。高位だったら高値が付くのにな」
「まあツラが良いだけ儲けもんだろ」

盗賊達は興味がなくなったとばかりに冒険者証を後ろに放り、作業を再開した。
制止をするグレンとエリックに構わず、シャツを脱がせる。

「こちとら女日照りなんだ。売る前に楽しませてもらわにゃな」
「もう男がどうとか気にしてられないからな。」
「穴があれば一緒だ。顔が良いだけマシな方だろ」

グレンとエリックは顔を青くして必死に抗おうとするが、麻痺した体はピクリとも動いてはくれなかった。
そして遂に、下穿きも脱がされ生まれたままの姿を晒す。

「くそっ」
「へぇ、立派なモノ持ってるじゃねぇか」
「さぞかし沢山の女を泣かせてきたんだろうな」
「ま、今日からは兄ちゃんたちが鳴く番だがな」

盗賊達は笑う。
そして盗賊達は二人を自分に寄りかかる様に座らせると、足首を掴んで持ち上げ大股開きにさせた。
そうすることで、グレンとエリックの恥ずかしい部分が全て晒される事になった。
強制的に恥ずかしい体勢を取らされ、二人は顔を赤くする。
それを見て盗賊達は盛り上がり口笛を吹いて囃し立てた。

「おい、清浄魔術を」
「任せろ」

光の魔術適性があるのだろう。
一人の盗賊がグレンとエリックの後孔を指で触る。
そのまま詠唱すると、指先が光り二人のアナに吸い込まれていった。

「これで綺麗になったぜ」
「よし、潤滑油持ってこい」

2人の盗賊がそれぞれグレンとエリックの前に屈む。
潤滑油を片手に取り、後孔へと触れようとした。

「待て!」
「どうせ逃げられねぇんだ、大人しくしとけ」
「俺が全員相手をする。だからエリックには手を出すな」
「駄目だグレン!」
「あ?そんな頼み聞いてやって俺達に何の得がある」

グレンの嘆願を盗賊達は一笑に付す。
続けようとした盗賊達だが、頭目がそれを止めた。

「へえ、面白いじゃねぇか」

グレンの言葉に、唯一頭目だけが興味をそそられたようだ。
しかしその表情はとても慈悲の心からではない。
頭目の顔には嗜虐心に溢れていた。

「こうしようじゃねぇか。お前がイかないで我慢できている間だけ相棒には手を出さないでやるよ」
「っ、それはっ」
「飲めねぇならこの話はなしだ」
「くっ、分かった」
「おい、こいつだけ続けてやれ」
「はい」

頭目の決定により、一時エリックは放置されることになった。
一方で殆どの盗賊がグレンの周りに集まっている。
グレンの尻の前に屈んだ一人が、潤滑油を取った指を後孔に挿入する。

「ん?」
「どうした?」
「柔らかい、こいつぁ初めてじゃねぇな」

グレンの尻を弄る盗賊の言葉に、一瞬静まり返る盗賊達。
その後、洞窟内がどっと沸いた。

「マジかよグレンちゃん!」
「そんな男前なツラして女だったのか!」
「まさか相棒を守りたいんじゃなくて、チンポ独り占めしたかっただけか!」

盗賊達は、グレンが尻を使った経験があることを知って、口々に囃し立てる。
グレンはそれに対して、口を引き結んで赤面した。

「グレンちゃんがヤリマンだからすぐ解れるぜ」
「っ・・だ、まれ・・・ひきょう・・・もの・・め・・くっ・・」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ」
「ぅ・・うる、さい・・はっ・・ぁっ・・ぜったいに・・ぁんっ・・ゆるさ、ない・・ああっ・・から・・な・・・くぅっ・」
「そんな喘ぎながら言われても全然怖くないぜ」

盗賊はグチュグチュと音を立てながら後孔を掻きまわしていく。
その乱暴な手つきにグレンは既に3本の指を受け入れていた。

「よし、良い感じに解れたぜ」
「待ってました!」
「まずは俺からだな」
「早く済ませろよ。後がつかえてるんだから」
「グレンちゃんもさっさとイカせちまえ」
「じゃあ行くぜ」

盗賊は下衣を寛げ、自身の性器を取り出した。
そしてそれを大股開きになっているグレンの後孔にあてがう。
そして、本格的な凌辱が始まろうとしている事実に、グレンは歯を食いしばった。
どれだけこの行為を嫌悪しようと、体は動いてくれない。
唯々耐えるしかできなかった。

盗賊が腰を進めると、グレンの後孔は何の抵抗もなく受け入れてしまった。

「・・・っ・・・くっ・・・・・・・・」
「あ〜、あったかくて締まりが良いわ」

盗賊はグレンの事など構わず、自分の快楽だけを求めて腰を振り始めた。
肌と肌がぶつかる破裂音が響く。

「・・・ぅっ・・・く・・・・はっ・・・・・がっ・・・・ぅあっ・・・・・」

盗賊の抽送は角度など考慮しない稚拙なものだった。
それにも関わらず、グレンの下腹部にはズクンとした鈍い快楽が沸き上がっている。
グレンはその事実に愕然とした。

「・・・あっ・・・いや、だ・・・・こんな・・ぅんっ・・・やつら・・・に・・・・ひぃん・・・・」

長い開発を経て、グレンの後孔は浅ましい性器となっていた。
それは最早グレン自身の意思を裏切り、望まぬ快楽をもたらした。

「・・・はぁっ・・・はっ・・・くっ・・・・・ぁっ・・・・・はぁんっ・・・・・」

下半身から発生した痺れが背骨を通り頭へと到達する。
脳髄を焼く快楽にグレンは絶望する。
自分よりも遥格下の男に凌辱されている事実がひたすらに悔しかった。

「・・・はっ・・・・はっ・・・・んっ・・・・・・くぅっ・・・・・・あっ・・・・」
「おいおいなんだよグレンちゃん。チンポ立ってんじゃねぇか」
「いやだいやだ言っておきながら気持ち良くなっちまったか?」
「マジかよ!グレンちゃん雑魚マンだなぁ!」
「こんなに立派なチンポ持ってんのにグレンちゃん女なんだよなぁ」
「もったいねえよな、もうただの飾りでしかねえもんな」

先程までは萎びたまま律動に合わせて震えるだけだったグレンの性器が、立派に立ち上がっていた。
これだけ嫌悪しているのに、何故こんなにも気持ちいいのか。
盗賊達に囃し立てられたこともあって、あまりの羞恥に目の前の景色が滲んできた。

「あ〜。もうイキそうだぜ」
「はえぇなおい。てめぇ早漏かよ」
「グレンちゃんが名器すぎるんだよ。鍛えてるだけあってすげぇ締め付けだぜ」
「そりゃあ楽しみだ」
「・・・はっ・・く・・・あっ・・・あっ・・・うあんっ・・・ぐっ・・・くあぁっ・・・」

盗賊はラストスパートとばかりに抽送を速める。
その受け手の事など考えない乱暴な動きでも、グレンは快楽を拾ってしまっていた。

「出すぞ!」
「まて!中は止めろ!外にっ」
「あ〜出る出るっ」
「あっ、あっ、うわあああああああああああああっ」

グレンが止めるも聞かずに、盗賊は胎内に吐精してしまった。
じんわりと熱を持ったものが体内を侵していく感覚に、グレンは叫び出す。
余りの屈辱に、声を殺して涙を流した。



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