94.5年後のこと



「あんっ!、あんっ!ああんっ!、あんっ!、あっ!あっ!あっ!あっ!、はんっ!、んあぁっ!、イ、イグッ!」

ああ、またやってるよ。
僕はため息をつく。

夜中にトイレに起きて自室に戻ろうと両親の寝室の前を通ったところ、いつものように夜の営みの声が聞こえて来た。
僕の家は結構いい家だから音漏れも普通ならあまりしないんだけど、あれだけ叫んでたら薄っすら聞こえてしまうのも仕方ないと思う。

「あああんっ!、もっとぉ!、あんっ!・・・ッあーーーーっ!アーーーーっ!、だめぇイクゥぅぅぅぅぅッッ!!!」
「素敵よあなた、もっといっぱいイきましょうね」
「あんっ!ア゛ンっ!ダメェッ!イってるっ!、まってぇ!いやあああああああっ!!!」

はいはい、イってるのね。
僕くらいの子供がいる親って、こんなに毎日こういうことをするんものなのかなぁ。
もっと愛情が冷めたり落ち着いて来てるものなんじゃない?

友達のハンスの親だって週に1回くらいって言ってたし、ジャックの家なんて月に1回あるかないかくらいって言ってたのに。
子供は意外と親のそういうところも見ているものなのだ。
まあ、仲がいいのはいいことなんだけどさ。

今では冷静に聞いてられるけど、初めての時は驚いたんだよな。
あれは4歳くらいの時だっけ。
今日と同じようにトイレに帰りに、父さんの叫び声を聞いちゃったんだよな。

『あんッ!あん!あん!あん!あん!、もっとっ!もっとついてぇっ!ああんっ!』

お父さんに何かあったのかと思ってこっそり部屋をのぞいたんだよな。
そうしたらベッドに寝ている父さんに覆いかぶさるようにして母さんが腰を振ってたんだ。
最初は何が起きてるのか分からなくて、母さんが父さんを虐めているのかと思ったんだ。
でも父さんが「もっとして」って何度も言ってたから、喜んでるのが分かった。

丁度扉にお尻を向ける角度だったから、父さんのお尻に何か黒いものが出入りしているのが丸見えだったんだよな。
母さんに両手と両足を使って抱き着いている父さんは、全身をブルブル震えさせて泣き叫んでた。

『ああああっ!ああああっ!すごいぃぃぃ!それぇ、もっとぉぉぉ!!!』
『そんなに大きな声を出したらテオに聞こえますよ、あなた』
『ごめんなさいぃ!ああんっ!、おしりきもちよくてっ、こえがまんできないのぉ!』

3歳の時突然両親と寝室を分ける様に言われたのは、このためだったんだとその時に気付いた。
自分だけの部屋が出来たって素直に喜んでいたからよかったんだけどさ。

「お゛っ!、オ゛ンっ!、ほお゛ッ!おんっ!お゛っ!、お゛ッ!ん゛っ!んッ!ん゛っ!お゛オンッ!!!」

あ、昔のことを思い出してたら、いつの間にか父さんの声の調子が変わっていた。
前にこんな感じの声を出して白目を剥いている父さんを見たことある。
今も多分そうなんだろうなぁ。

子供の僕でも、父さんと母さんがやっていることが普通じゃないってことは分かっている。
学校で性教育の授業だってやったし。
きっと両親は性的倒錯者というやつなんだ。
でも僕は何も言わないし、知っていることも秘密にしている。

僕は理解のある子供なのだ。

こんなことじゃ、格好良い父さんの魅力が落ちたりしないしね。
ハンスにもジャックにも、近所の奥様方にも、強くて男前で格好良い父さんで羨ましいってよく言われるんだ。

それにしても、こんな状態で良く弟が出来たよなぁ、と感心してしまう。
どうやったんだろう。
子供部屋に残してきた今年3歳になる弟に思いを馳せる。

弟が両親の営みに気付いたら僕が色々と口止めしないとなぁ。
だって父さんも母さんも子供に対する気遣いが足りないんだもの。

あれは僕がまだ5歳の時。
お昼を食べて眠くなっちゃったときに、リビングのソファで横になって目を閉じていると。

『あっ!、駄目だ、テオがいるのに』
『平気ですよ、あの子は一度寝るとなかなか起きないもの』

そういって、あれよあれよとそのままダイニングテーブルで始めてしまったのだ。

『あっ!アあっ、あんッ!そこぉっ!』
『あなた、流石に声をもう少し抑えた方がいいんじゃないですか?』
『あんッ、あんッあんっあんッあんっ!、アアンっ、ダメェ、そこ、こえ、でちゃうからぁ』

薄目を空けると、テーブルに手を着いた父さんがガニ股になって腰を落として、母さんが後ろから腰を打ち付けているのが見えた。
パチュンパチュンと水音が響いていて、隠す気があるのかと問いたかった。

父さんも父さんだよ。
最初は嫌がってたくせに、途中から夢中になって自分で腰を振りたくって感じてたんだから。
僕は起きているのにずっと寝たふりを続けなくちゃいけなかったよ。

僕は空気が読める子供なのだ。

ただ、弟には同じことをしてくれるなよ、と願いたい。

「イグっ・・・イクイクイク、イッグゥ・・・お゛ーーーーーーッッッ!!!!」

チラリと部屋を覗いてみたら、父さんが下品に足を開いて痙攣しているのが見えた。
僕はそっと扉を閉じる。

「ア゛ーーーーーーーーーーッッ!!!!・・・・・あァ゛ーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!」

父さんが絶叫を始めたので、扉を閉めておかないと弟に聞こえちゃうかもしれない。
両親もクライマックスみたいだし、僕もそろそろ寝ようかな。


▽▽


翌日。
僕と父さんは一緒にお風呂に入っていた。
母さんと弟は先に入って今は寛いでいる。

先に体を洗って湯船につかっている僕の横で、父さんはシャワーを浴びている。
全身を洗い終わった父さんがシャワーを止めようと、お湯が出る魔道具に向かって屈んだ。
それは丁度湯船につかる僕にお尻を突き出す格好になっていた。

父さんのぽってりとしたお尻の穴を見て、僕の中で好奇心が膨らんだ。

「えいっ!」
「アァンっ!!!」

僕がお尻の穴を指でつつくと、父さんはお尻を抑えてピンと真っ直ぐになって跳ねた。
予想以上の反応に驚く僕。

「こらっ!」

お父さんは振り返ると懇々と僕にお説教を始めた。
ああ、失敗したなぁ。
こんなことになるとは。

「もう二度としちゃいけないぞ」
「はぁい・・・」

こんなに長いお説教をもらうならもうしないよ。

お説教が追加されかねないから、父さんの顔が耳まで真っ赤になっているのは指摘しなかった。
湯船に入って隠そうとしてたみたいだけど、おちんちんが大きくなっているのも。

僕は学習ができる子供なのだ。


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