「ちょっとちょっとォ!
あたしは反対よ、断固反対!」
「ハロルド、そう駄々をこねるな」
「そんなこと言われたって、ケイカは戦闘部隊にいれるつもりで入隊させたんじゃないのよ!?
あたしの部下として入隊を、って話だったじゃない!」
司令室に響いたハロルドの声は、外にいても充分聞こえていた。私はハロルドより先に知らされていたから、避難という形でアトワイトと兵の訓練の指導をしている。
昨日のシャルティエさんとの決闘?で、ディムロスさん始めイクティノス、カーレルさん、アトワイト、リトラーさん、クレメンテさんに、剣を使わないのは勿体ないし、戦力になると判断されて。
なんとまぁシャルティエ少佐の隊、第二師団に入ることになった。
そして与えられた地位は中尉。今日正式に入隊だというのに、地位を与えられるとは思わなかった。正直、嫌で仕方ない。
「ケイカ!出てきなさーい!どこにいるのよケイカー!」
「ハロルド、ここだよ」
「見つけた!
アンタ、戦闘部隊に入っていいの!?人を殺すことになるのよ?」
ハロルドは、いつものおちゃらけた態度とは違い真剣な顔をしている。人を殺すなんて、そんな怖いことしたくない。けれど、そうしないと自分が殺されてしまうなら、私は迷わずできるだろう。
「大丈夫よ、
心配してくれてありがと、ハロルド」
「ケイカ、」
「大丈夫大丈夫、なんとかなるわよ!」
"ね?"と笑ってみせたら、納得していないだろうハロルドは"わかったわよ"と頷いてくれた。よかった、ありがとうハロルド
「ねぇハロルド、シャルティエさんて、どんな人なの?」
これから、自分の上司になるのだ。聞いておいたほうがいいだろう。聞くと、ハロルドは"お茶しながら話しましょ"とにっこり笑った。
ハロルドの部屋に入ったのは初めてで、ちょっと後悔した。可愛らしい服がぐちゃぐちゃに散乱してるし研究データの資料とかも散乱してるし、よくわかんない機械がたくさんあるし。
「はい、座ってちょうだい」
「え、あ、うん」
机の上にぐちゃぐちゃに置かれていた機械やら資料を腕でガサガサと退かして、机から床に落とされた。あぁ、床が汚く…!掃除しないのかな、ここ
キョロキョロと部屋を見回す。読めない文字の羅列を見ていると頭が痛くなる。何語?あれは何語なの、読めないと仕事できないんじゃ、
「はいコーヒー」
「ありがと、」
机に置かれたコーヒーはおいしそうな薫りがする。カップの中を見ればミルクも入れてくれたみたいで、綺麗な色。
「アタシのオススメの飲み方よ、飲んでみてちょうだい」
「うん、いただきます」
苦みと甘みがちょうどよくて身体もあたたまる。美味しい、
「美味しいよ、ハロルド」
「そ?よかった
んで、シャルティエのことよね?」
「ん、あぁ、うん」
向かえに座ったハロルドはカップを持ちながら楽しそうに話し始めた。
「シャルティエは、なんていうか卑屈なのよ。アイツ、剣の腕は確かでイクティノスより強いのよ?
まぁ、本気だせないみたいだからいつも負けるけど、」
「昨日のも、本気じゃなかった?」
「そうねー、女のケイカ相手にしては、ちょっと本気だったかしら」
「ちょっと、なの?」
「100%中、30%くらい?」
「っ、全然じゃない!」
ハロルド曰く、それでも結構本気だったらしい。いつもは10%にも満たないらしくて、実戦で無心になった時のシャルティエさんには、中将であるディムロスさんやカーレルさんでも勝てるかわからないそうだ。
「確かシャルティエの副官よね」
「え、1番下っ端じゃないの?」
「聞いてない?
とりあえず常にシャルティエと一緒にいることになるみたいよ」
どんな人かまだ全然わからないから、副官だなんて不安で仕方ない。けれど、やっていくと決めたからには、シャルティエさんと仲良くならなきゃ。
第二師団入隊
(データ?…あぁ、叫んでたね)
20111124
シャルティエ連載なのにシャルが出てこない。
今日久しぶりにシャルのこと調べたら、そういえば卑屈な人だったと思い出しました。
前々回とか、オリジナルじゃなくてソーディアンのときのシャルの口調だった気がする\(^O^)/
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