うつらうつらとベッドに横たわっていた数時間前。いつの間にか眠っていたようで、次に目を覚ましたときには目の前は黒だった。身動きが取れないことから抱きしめられているんだと察し、そしてそんなことをしてくるのは一人しかいないことも分かっていた。
顔を上げると整った顔。伏せられた目、長い睫毛。こんな男が幼馴染みだもの女に嫌われるのは仕方ないかも、なんて。下町に女友達は少なかったし…。
規則的に繰り返す穏やかな呼吸を聞きながら、疲れていたんだなぁとくすり、笑った。
『…ん、やっ』
眠っているであろう男、ユーリが不意に私のお尻を撫でた。思わず声が出て、鳥肌が立つ。ユーリを見ると、まだ目は伏せられたまま。寝ぼけているの?そうだとしたらタチが悪い。
『ユーリ、起きて』
脇腹をくすぐってみると、眉を寄せて身をよじりゆっくりと目を開けた。じろりと睨みつけられて一瞬怯んだけれど、負けてられない。
「…なにすんだよ」
『おはよ、ユーリ』
「はぁ…で、なに」
『なに、は私の台詞
勝手に部屋に入って抱きしめてるし、お尻触るし…』
「触りたくなったんだから仕方ない」
――…ん?
ユーリを見ると、うっすらと目を細めてにやりと意地の悪い笑みを浮かべていた。もしかして、もしかして!
『…起きて、た?』
「さぁ、な?」
くすりと笑ったユーリ。やられた!寝たふりだったんだ。最悪、もう馬鹿ユーリ!ユーリの腕から抜け出そうと身体をよじるも、簡単にそれをさせてくれるユーリじゃない。
『ちょ、っ…やだユーリ!』
背の方から服に手を入れられてブラジャーのホックをいとも簡単に外し、抱きしめられる力が緩まったと思ったら、私は天井とこんにちは状態だった。
『ユーリ、?』
「ばか、泣きそうな顔すんなよ」
"大丈夫だ"と優しく笑った後、ゆっくりと縮まる顔の距離。こつんと額が合わさって、鼻が触れて。こんな至近距離でユーリを見たのは…子供の頃以来かもしれない。ゆっくりと目を閉じた。けれどいつまで経っても唇にはなんの感触もなく。また目を開ければ、迷いのある、目。
ユーリは優しいから、私が本気で嫌だと言えば絶対に何もしてこないのは分かっていた。こうして、ユーリが私を組み敷いていても、私が拒絶すればユーリは何もしないし直ぐに退けるだろう。私もユーリも、幼馴染みという関係から抜け出すのは怖くて。抜け出してしまったら、もう戻れない気がして。
ただ一言、ただ一回。
好きだと言えば、キスを交わせば、私達は幼馴染みではなくなる。
一歩、踏み出す
(ユーリの首に腕を回し)
(そっと、触れるだけのキスをした)
20111005
ユーリ夢!
なにこのサイト、まだユーリジェイドルークアルヴィンしかないんだが!←
本当は、裏に突入予定だったんですが長くなりそうだったので微裏にも満たない、甘いようで甘くない短編夢になりました。
文才が欲しいorz
基本的に台詞よりも描写が多く長くなってしまう私。
軽く連載設定みたいな←
けどこんな感じでくっつけようとは思ってないんだな、しかし←
幼馴染みと恋愛って、私なら臆病になります。うまくいかなかったらもう幼馴染みという関係にも戻れない気がして。
そんな短編←ぇ
ひぐら
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