「アルヴィン先生!」


ばん、と扉を開けると欠伸をして首をこきこきと鳴らしているアルヴィンがいた。ちょっと、私がきたのに何よ!


「あー、リティル
先生忙しいから今無理な」
「はあ?!そのだるだるーとした感じのどこが忙しいってのよ、ど こ が !」


しっし、と追い払うように手をひらひらとするアルヴィンに苛々した。なによ、なんだってのよ!


「そ、わかった
じゃあ今日のお昼なしね、せっかく先生の好きなピーチパイ作ってきたのになぁ」


"後でジュードにあげよーっと"と踵を返すリティルの腕を慌てて掴み、部屋の鍵をかけた。


「それは駄目
ピーチパイは俺の、だろ?」
「っ、じゃあキスしてよ」

「ばか、ここ保健室。俺の職場だって分かってるか?」
「…鍵、しめたくせに」


"あ、バレた?"と笑うアルヴィンに向き合い首に腕を回せば、くすりと笑ったアルヴィンがキスをした。

ちゅ、ちゅ、と啄むようなキスにくすぐったくなる。唇が離れて、額にキスを落とすと、優しく笑ったアルヴィンに見惚れるリティル。

すると、そのまま抱えられて、ベッドに下ろされた。見上げると、そこには男の顔をしたアルヴィン。
その顔にどくん、と胸が高鳴り、本当にこの人は自分の恋人なのかと少し不安になった。

「せんせ、好き」
「知ってる」
「先生、は?」


答えを言うことなく、深く、深く、初めから奪うようなキス。舌を絡ませ歯列を舌でなぞり、上あごを舐められ、リティルは身体を揺らした。


「はぁ、…」
「わかったか?」

「…なにが?」
「俺の気持ち」


悪戯が成功した子供のように笑うアルヴィンに、リティルは眉を寄せ"わかんない"と呟く。
恨めしそうにアルヴィンを睨むと、"わかったって"とお手上げポーズをとりリティルの耳元に顔を寄せた。



耳元のあいらぶゆー!



(つーか先生はやめてな)
(…アル、フレド)



20111022


甘くないよー甘いのが書きたいです。