驚く顔が見たい、ただそれだけだった。

女の子4人で、貰ったメイド服に身を包んだ。私以外みんな似合ってて羨ましいな、いいなぁ。

じゃんけんして、負けたリティルは勝者レイアの命令で今日1日、完璧なメイドを目指すこと!と宣言され、敗者となったリティルは文句も言えず、レイアに背中を押された。


「ほらリティル、アルヴィン君のとこ行っといで!」
「え、ちょっとレイア!?」

「いい?リティル
"ご主人様"って言わなきゃダメだからね?」
「むむ無理、無理だよ私には!」
「アルヴィン君喜ぶと思うんだけどなー?」


にやにやと意地悪い笑みを浮かべるレイアにたじろぐ。やばい、レイアスイッチはいってる!


「リティル、頑張ってください、ね?」
「う、エリーまで…!」


可愛いエリーにまで言われて、実行するしかなくなったリティルは、とぼとぼと歩いてアルヴィンの部屋まで来た。

私はメイド、完璧にメイド業をこなすんだ!と心の中で何度も暗示をかけて深呼吸。"よし、"と小さく頷いて彼の部屋の扉をノックした。


「はーい、…ってナニその格好」
「ええと、戴いた服を着ただけ、ですが」

「…質問変える。
なんで、そんな格好で俺の部屋に?」
「レイア様に命令されました。本日は貴方様のメイド業をこなすように、と」

ご主人様、なんて言えなかった。このような格好を、アルヴィンに見られているだけで恥ずかしいというのに、一日メイドなんてしたら羞恥で引きこもりになってしまいそう。


「入ったら?」
「あ、失礼します」


扉を開けて中に入るよう促され、怖ず怖ずと入る。パタンと扉が閉まった後、かちゃりと鍵がかけられる音に、私は気付かなかった。


「似合ってる」
「ありがとう、ございます」

「んで、俺はご主人様ってやつ?」
「はい、」


肯定すると、にやりと口許を歪めたアルヴィン。なんだか嫌な予感がしたけれど、とりあえず命令をちゃちゃっと聞いて早く部屋に戻りたかった。


「私にできることでしたら、なんでもさせていただきますね、ご主人、様」


できるだけ笑顔で言ったつもり。

アルヴィンを見ると楽しそうに、悪戯する子供のような笑みを浮かべて、リティルの腕を引いた。
すっぽりと抱きしめられて、仄かに香る彼の匂いにホッとしたのも束の間。

太股を撫でられ、短いスカートの中に手を忍ばせて、下着の中に手をいれて直接お尻を撫でられる。ぴくん、と反応して思わず身体に力が入る。


「ご主人様、おやめ、くださっ」
「駄目、メイドはご主人様に逆らっちゃいけない、だよな?」

頷くしかできなくて、抱き上げられて柔らかいベッドにおろされる。
そのまま覆いかぶさってきたアルヴィンに見とれて顔に熱が集まるのが自分でもわかった。


「顔、真っ赤」
「アルのせい!」


顔を逸らし、何も言わないアルヴィンを横目で見る。と、優しく頬を撫でられて、また目が合う。
見上げる形になったリティルに、アルヴィンは生唾を飲み込んで、唇にキスをおとす。

啄むように、甘く、けれど情熱的に。時折リティルの下唇を甘噛みしてぺろりと舐める。その行為にリティルはただ酔いしれて、アルヴィンの首に腕を回した。


「アル、」
「ご主人様」

「…ご主人様、もっと…」
「っ、ばかやろう」



お願い、もっと



(今日は寝かせてやらないから)
(ん…いいよ、アル)



20111020

甘く仕上がっていればいいなぁ…。
アルの執事コスねたのは読んだことがあるので逆パターンで作成してみました。
絡みが薄いですよね、わかります←

これこのまま行けば裏突入なんですけど、かなり長くなりそうだからやめました!


ヒロインが、"もっと"とキスをせがみ、アルが余裕なくすとこを書きたかっただけだったりする\(^O^)/