例えるなら甘いキャンディみたいな




「ちょっとアル、動けない」
「…いいだろ、少しくらい」
「ダーメ、」


数日に一度、べったべたにくっついてきて甘えた声を出す大の男アルヴィン。彼とは最近恋仲になった。

今まではクールというか感情を見せない、分からない人だったのに。付き合った途端にベタベタあまあま、子供みたいな男に変身した。

(二人きり限定だけど)

見た目に反して寂しがりの甘えん坊、エリーに聞いたらマザコンだといい見事な3コンボ。
わたしもどちらかと言えば甘えたい派だけど、アルヴィンは私以上の甘えたさん。可愛いとは思うんだけど、ギャップが…。


「もう、いい加減にしないとアルにはピーチパイあげないよ?」


切り分けたパイをちらつかせると、大人しく離れたアルヴィンに笑った。甘いもの好きの4コンボ達成!なんて心の中で思った。

じ、とパイを見詰めるアルヴィンに溜息をついて皿を置けば、"いただきます"と礼儀正しく手を合わせて黙々と食べ出した。
本当は、ジュード達にもあげようと思ってたんだけど、この様子じゃ1ホール全部食べそうな勢いだ。


「え、もう食べたの?」


パイのなくなった皿を渡されて、また切り分けて渡すとにっこりと嬉しそうに笑う彼。何歳よこの男。

戦闘になったらきり、として身を挺して守ってくれる格好男、ってイメージだったのに。

「アルヴィン、美味しい?」
「最高、絶対いい嫁になる」
「え、あ、あり、がと」


ひょいひょいと口に放り込んで、注いであげた甘いロイヤルミルクティを飲み干すと、頭を撫でて額にキスされた。


「照れんなよ」
「照れてなんか!」

「くは、本当、リティルは可愛いな」
「か、かわ…!?」


急に、男らしい顔付きになる。先程までのキラキラとした目はどこいったのよ!射抜くような視線にいたたまれなくなって逃げ出そうとしたら腕を引かれて、すっぽりとアルヴィンの胸におさまる。

どくんどくん、と規則的な心音に安心して目を閉じる。髪にキスされて、頬にキスされて。

顔をあげると、色っぽいアルヴィンの顔がゆっくりと近付く。


「好きだ、」
「、!」

「お前は?」
「…す、き」


はは、と笑うアルヴィンに悔しくてキスしてやった。悪戯に笑ったアルヴィンに冷や汗がたらりと流れたけれど、もう遅くて。

きす、きす、キス。


アルヴィンの唇はさっき食べたピーチパイよりも甘くて、とろけそうなほど熱くて、あまーい口づけをされた。



キスの嵐



(我慢できねぇ)
(え、)
(お前が欲しい)



20111019


甘くできたかは不明です←

アルきゃら崩壊激しくなりそうだったから、なんとか原形を留めなければと試行錯誤。

アルっぽい口調疲れた。
ゼロスとかなら簡単にできた夢だと思う←

ヒロインのきゃら定まらないまま終わったorz