ある日のふたり



ね、七海くん


ん…?


僕さ、まだ七海くんから聞いてない事があるんだけど、


なに、変な事なら答えないぞ


違うよ。真剣な事。

七海くんは、僕のどこが好きなのかな






な、んで……


ぁ、違うよ?七海くんが僕のことを好きなのはちゃんと伝わってるよ

ただ、具体的にどこが好きなのかなって



バカ、お前……そんなこと言えるかよ


えー?
例えば、僕はね、七海くんのー

猫舌なとこ

好き嫌いが多いとこ

ぁ、でもこれはちょっとなおして欲しいかな

あと、
隅っこがすきなとこ

仕事をしているときの横顔

すぐ赤くなるとこ

甘えたいのに素直になれないとこ

そんな自分が少し嫌いなとこ

あとは…、


も、もういい、……もう、なんなのお前…なんでそんな、


ね、七海くんは?


俺は、別に……





いっ、いいだろそういう事は


えー?そうかなぁ
僕は言ってもらえると嬉しいな


そんな恥ずかしげもなく言える方がどうかしてる、だろ


どうして?
全部本当のことだもの


そうじゃなくて、そりゃ俺だって……
いや、違くて、えっと


………………。


だ、だから
本当に好きだから、その相手に好きなところを言うなんて…難しいし、それに、

いっ、言っちゃったら、お前にバレちゃうだろ

その、俺がお前のどんな仕種が好きだとか、どんな時に見とれちゃうとか、

そういうの、お前にバレちゃったら、これから見にくくなるって言うか…


………………。


と、とにかく
言わなくても、汲み取れよ
そういうのは…


解るだろ……俺たち、ほとんどずっと一緒にいるんだし…


………………。











せ、瀬名?


七海くん、今の、すごい口説き文句…


な、


ふふ。真っ赤だよ、七海くん








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